電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 分配器
テレビ幹線の伝送線路中に挿入し、テレビ幹線を流れる信号を均等に分配する装置。1本のケーブルから多数のアウトレットを設けるためには、分配器を用いて複数系統に分ける必要がある。分岐器と違い、複数の系統に均一に電波を分配することを目的とするものである。
分配器は2分配から8分配のラインナップがあり、必要数の直近上位数で選定することが望ましい。分配数が多いほど損失が大きくなってしまうため、不使用の系統にまで分岐することは電波のロスが大きくなり不合理である。テレビの受信強度は、一定以上を維持していなければ、損失によって受信品質の悪化を招くおそれがある。過剰に分配数を多くすることは避けるべきである。
分配器には、分配する端子の全てに通電する「全通電タイプ」と、1端子のみに通電する「1端子通電タイプ」の2種類がある。衛星放送を受信するにはアンテナに対する通電が必要であり、衛星放送の受信が広く普及している現在では、全通電タイプの分配器を選定するのが一般的とされている。
最終的に空いてしまった端子については、ダミー抵抗を取り付けすることで、電波の乱れを防止すると良い。ダミー抵抗は疑似負荷のひとつであり、電波漏洩や電波の飛び込み、反射といった損失を防止し、受信障害を予防することができる。特に妨害を受けやすい4K8K放送では影響が大きいとされているため、端子が空いた状態での放置は行わず、ダミー抵抗を設けておくことが良い。
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