副受信機
副受信機の概要と役割
副受信機とは、防災センターや管理室に設置されるメインの火災受信機から離れた場所において、火災の発生場所や設備の作動状況をリアルタイムで確認するために設置される補助的な表示盤のことである。
大規模なビルや工場、あるいは病院などでは、メインの受信機が設置されている場所以外でも、スタッフが常駐している場所がある。こうした拠点に副受信機を置くことで、火災発生時に防災センターからの連絡を待つことなく、現場に近いスタッフが即座に発報場所を把握し、初期消火や避難誘導に動き出せるというメリットがある。
機能の制限と通話設備
副受信機はあくまで情報の表示を主目的とした装置であるため、メインの火災受信機が持っているような復旧操作や、感知器の試験機能といった制御機能は原則として搭載されていない。基本的には、火災灯の点灯と、地区表示窓への発生場所表示、副受信機本体のブザー鳴動のみを行う。
メインの受信機と相互に連絡を取り合うためのハンドセット(受話器)や電話ジャックが装備されている製品も多く採用されている。これにより、現場確認に向かったスタッフと防災センターとの間で緊密な連携が可能となる。
設置場所と運用上の指導
消防法において、メインの火災受信機は常時人が監視できる場所に設置する義務があるが、副受信機に関しては設置の法的義務はない。しかし、建物の管理形態によっては、設置が強く推奨されるケースがある。
例えば、日中は受付に人がいて夜間は警備室に移動するといった場合や、病院のナースステーションのように24時間スタッフが詰めている場所などが代表的である。所轄の消防署によっては、こうした副受信機の設置場所においても、非常放送の起動や電気錠の一斉解錠といった緊急操作が行えるよう、追加機能を設けるよう行政指導が入る場合があるため、事前の協議が重要となる。
接続方式と配線の違い
副受信機を増設する場合、メインのシステムがP型かR型かによって工事の難易度が大きく異なる。
- P型システムの場合:表示窓の数だけ配線が必要となるため、回線数が多い建物では数十本から百本近い太いケーブル束を配線しなければならず、工事費が増大する傾向にある。
- R型システムの場合:デジタル信号による伝送を行うため、電源線と数本の信号線を接続するだけで情報を共有できる。そのため、増設や移設が比較的容易であり、省施工での導入が可能である。対して小規模施設では本体価格が高いことにより、割高になる可能性がある。












