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保安規程

電気工作物を工事、維持、運用する場合、その設置者は保安規程を作成し、運用開始前までに管轄する経済産業局への届出を必要とする。電気事業法においては「事業用電気工作物を設置する者は、保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに保安規程を定め、使用開始前までに主務大臣に届け出なければならない」ということが定められている。

また、事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、電気主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならないことも定められており、保安規程に基づいて保安業務を行うことが求められる。

保安規程は電気事業法第42条に基づき、設置者が策定すべき重要な保安管理文書である。高圧受電設備などの自家用電気工作物を有する事業者にとって、適切な保安規程の策定と運用が、設備の安全性確保と法的義務の履行において不可欠である。

保安規程の法的根拠と位置づけ

電気事業法第42条では、事業用や自家用の電気工作物の設置者に対し、保安規程の策定と届出を義務付けている。保安規程は社内規則ではなく、法定文書として位置づけられ、産業保安監督部への届出が必要である。違反した場合は業務改善命令や使用停止命令等の行政処分の対象となるため、適切な策定と遵守が求められる。

保安規程は電気主任技術者の職務権限を明確化する文章としても機能する。電気主任技術者の選任、職務範囲、権限と責任、代理者の指名等について具体的に定め、保安管理体制の明確化を図る。また、電気主任技術者が適切に職務を遂行できる環境整備についても定める必要がある。

保安規程の記載事項と事例

保安規程への基本的記載事項は下記の通りである。保安規程は、自主的な保安体制を確立するために重要な文書となる。事業所ごとに電気工作物の容量や運用方法が違うため、特性に適合した保安が達成できるように策定すべきものとなっている。

保安規程を策定したら、使用開始前に産業保安監督部へ提出し、運用後に変更があった場合は速やかに変更を届出することが求められる。

  • 業務を管理する者の職務と組織
  • 従事者への保安教育
  • 保安巡視、点検、検査に関すること
  • 運転、操作に関すること
  • 災害時、非常時にとるべき措置
  • 保安記録の取り扱いと責任分界
  • その他保安に関すること

業務を管理する者の職務と組織

保安管理組織は、事業主である社長などの最高権限者を統括管理者とし、電気主任技術者を保安監督者として配置するといった、明確な指揮命令系統を定める。各職位の職務内容、権限範囲、責任の所在を具体的に記載し、保安業務の実施体制を明確化する。

特に電気主任技術者の独立性と権限を確保し、保安上に重要な事項を決定したり実施するといった場合には、電気主任技術者の意見を求めるように定めることが多い。主任技術者の指示のもと、従事者はこれに従うことや、主任技術者不在の場合の代理者を整備し、その管理体制等について詳細に定めるべきである。

従事者への保安教育

保安教育についても保安規程に定めることが求められる。事業所の実態によって運用方法が違うため、知識と技能の教育を行うことを定める。これには災害や電気事故が発生した際の実地訓練や指導といった内容も定める。

保安巡視、点検、検査に関すること

電気工作物の工事計画立案については、電気主任技術者の意見を求めるべきであり、それを文書化する。電気主任技術者は修繕工事や改良・補修工事についての計画を、社長等の最高権限者に説明し承認を受けるといったことを定める。

電気主任技術者はこれらの工事計画実施時に、これを監督し責任を負うこととなり、完成後の検査や引取りといった実務につき、その責を負うことも定められる。

上記のほか、日常点検の実施要領をとりまとめ、点検項目、周期、方法、記録様式等を具体的に定める。点検の結果、法令で定められている技術基準に適合しない状況であると認められた場合、速やかに修理や改造を行うように維持管理し、場合によっては利用停止や制限を課すことも電気主任技術者の責務となる。

運転・操作の方法と災害時・非常時にとるべき措置

電気工作物の操作手順については、平常時・事故時・異常時のいずれであっても、安全に運用しなければならないため、操作手順を詳細に定めなければならない。電気工作物には遮断器、開閉器が多数設けられており、複雑な手順を伴う場合も多い。

そのため、受電室や電気室には「見やすい場所」に操作手順や方法について掲示し、従業者等が安全・確実に操作できるようにしなければならない。また、万が一の事故発生時に報告する報告先、応急措置方法も保安規程に定めるべきである。これも見やすい場所への掲示が求められる。

保安記録の取り扱いと責任分界

設備台帳や竣工明細書、竣工検査記録、電気事故記録は永年保存であるが、点検記録や運転記録は3年以上の保存が求められる。記録を保存することについても、保安規程に記載することで明確化しなければならない。

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