光ダクト | 紫外線の影響が少なく、自然を感じる照明。トップライトや天窓との違いを解説

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電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 光ダクト

 2024.2.25

光ダクト

光ダクトは、電気エネルギーを用いた照明器具を使用することなく、太陽光をダクトに導入することで建物内に誘引し、室内の照明として活用する技術のひとつ。自然光は窓からの取り入れが原則であり、窓のない内側の部屋に対しての自然光導入は天窓やトップライトを設けるしかないが、これを解決するため反射率の非常に高い内部仕上げを施したダクトを用いて、自然光を取り込むものである。

光ダクトの内面は高反射なアルミ材や、銀蒸着を用いることで太陽光を効率よく届けることが可能となる。アルミや銀蒸着はダウンライトの反射板にも用いられるように、光学分野で幅広く利用されるものである。トップライトや天窓のように、天井面に窓を設ける方式と比較して、室温の上昇を抑えることができるほか、紫外線などの影響も最小限にできるため、窓のない部屋に対して自然を感じることができる照明として認知されている。

光は距離が離れるほど、かつ反射回数が多いほど減衰してしまうため、効率よく光を収集し、反射回数が少なくなるように伝えなければならない。そのため、ダクト面積が小さかったり何度も曲がりがあるような形状では、光が減衰し実用的な光を得られないおそれがある。

天窓から光を導入している写真

また、自然光を利用するのであれば人工光エネルギーを削減することも合わせて検討しなければならない。明るさセンサーを光ダクト放光部の付近に設けることで、所定の明るさが光ダクトから得られているときは照明をオフにする、または照明を調光してエネルギーを削減するといった制御により、省エネルギーを図ると良い。

高層になるビル建築であっても、屋上に採光部を設けて垂直にダクトを敷設し、ダクト側面に放光部を設けることで複数の階に対して光を伝えることが可能となる。大規模な業務建築物の場合、区画貫通処理を施さなければならない可能性があるため、放光部のガラスに耐火性能を持たせるなどの検討が必要である。

また、光ダクトは電装品や可動部を持たないためメンテナンスフリーと言われる設備であるが、採光部や放光部の表面材などは汚れやすく、光の効率が低下するおそれがあるため、定期的な清掃については避けることができない。

 
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