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引込開閉器盤

引込開閉器盤は、電力会社の配電線から低圧で電力を受電する際、敷地内の最初の接続点に設置される盤である。内部には開閉器や電力量計などを収容し、この盤の一次側または内部の端子を電力会社との財産分界点および責任分界点とすることが多い。分岐用の開閉器には配線用遮断器や漏電遮断器が用いられ、建物内部への電力供給の基点となる。

一般的な戸建住宅では、室内に設置された分電盤内にある契約用のアンペアブレーカーや主幹ブレーカーを責任分界点とするのが標準的である。一方、店舗や小規模な工場などの業務施設が低圧で受電する場合は、建物の外部に引込開閉器盤を設け、そこに収容された配線用遮断器の電源側端子を責任分界点とする設計が広く採用されている。

スマートメーターの普及と電力量計の収容

引込開閉器盤は、電力会社が所有する電力量計を合わせて収容し、引込計器盤として運用されるのが通常である。かつては検針員が毎月目視で数値を読み取る必要があったため、門扉の外側や外壁など、検針しやすい場所に設置することが必須であった。

近年は通信機能を持つスマートメーターの普及により、遠隔での自動検針が主流となりつつある。しかし、メーターの交換作業や異常時の目視確認といった保守点検作業を考慮し、引き続き電力会社の作業員が容易に接近でき、かつ施錠などの制限を受けにくい場所への設置が求められる。

引込開閉器盤の外観写真

避雷器による雷害対策と盤の大型化

屋外の配電線から侵入する誘導雷のサージ電圧から建物内部の電気機器を保護するため、引込開閉器盤の内部に避雷器を設置する事例が増加している。避雷器を盤内に収容する場合、避雷器本体に加えて、点検や交換時に回路を切り離すための専用の配線用遮断器も並べて設置する必要がある。これにより、避雷器を持たない盤と比較して筐体のサイズが大きくなる傾向がある。

避雷器は落雷のエネルギーを大地へ逃がす有効な装置であるが、許容を超えるサージが流入した場合は内部の保護素子が破損することがある。そのため、表示窓などで故障状態を外部から目視で確認できる製品を選定し、定期的な点検を行うことが重要である。

美観への配慮と引込小柱の活用

建物の外観デザインを重視する場合、外壁に直接配線を這わせたり、大型の引込開閉器盤を取り付けたりすることを避ける設計手法がとられる。このようなケースでは、敷地の境界付近に引込用の専用ポールである引込小柱を建柱し、そこに引込開閉器盤を固定する。

電力線だけでなく、通信用の光ファイバーケーブルやケーブルテレビの配線も同じ小柱で一括して受け取ることで、建物への配線導入部をすっきりとまとめることができる。屋外の目立たない場所で電力会社との接続を完結させ、地中埋設配管を通して建物内へ電力を引き込むことで、美しい景観を保つことが可能となる。

設置環境に応じたキャビネット材質の選定

引込開閉器盤の筐体となるキャビネットは、設置される環境に応じて適切な材質を選定しなければならない。国内の配電盤メーカー各社から、環境条件に適合した多様なラインナップが提供されており、設置場所の特性を見極めた製品選びが長期的な設備の維持管理につながる。

  • 鋼板製キャビネット:一般的な屋外環境で広く用いられる。防錆塗装が施されているが、傷がつくとそこから錆が進行しやすい。
  • ステンレス製キャビネット:海岸に近い塩害地域や、腐食性ガスが発生する工場地帯などで採用される。錆に強く長寿命であるが、材料費は高価となる。
  • プラスチック製キャビネット:絶縁性が高く、塩害による錆がまったく発生しない。軽量であるため、住宅や小規模店舗での採用が多い。

塩害のおそれがある場所で金属製のキャビネットを採用する場合は、ステンレスの本体に耐候性の高い焼付塗装を施した製品を選定するなど、環境に耐えうる仕様とすることが設備設計の基本である。

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