電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > ページング
建物や敷地構内の人に対して、放送アナウンスで呼び出すために使用する構内放送設備のひとつ。工場ではハンドセットを用いた固定式の製品が使用されているが、ビジネスホンや電話交換機を組み合わせ、電話機や携帯用PHSから放送設備の起動も可能となっている。
館内に全体放送を行う場合、放送設備本体のマイクまたはリモートマイクを用いるのが通常の使用方法だが、ページング機能搭載の放送設備を選定すれば、ビジネスホンの電話機やPHSから放送設備を起動させての放送が可能となる。
電話機からページングする場合、ビジネスホンやPHSの電話端末から特定の電場番号にダイヤルすることで放送する。操作の難しい放送設備に触れることなく館内放送ができるため利便性の向上につながる。
ビジネスホンでは電話交換器の機能のひとつとして用意されており、電話機を通じて音声信号が放送設備に伝送され、建物内のスピーカーからのアナウンスが可能である。工場や倉庫、商業施設など、従業員の頻繁な移動を伴う建物用途に適している。
ページング機能の選定にあっては、ページング前にチャイムを鳴動させるかを確認する。一般的な放送設備であれば、これから放送が流れるということを事前に伝えるためのチャイム音を鳴らしてから会話するのが基本だが、チャイム機能のないページング放送では、放送音声が突然流れることにより聞き取りにくいというクレームにつながる。
ページングの前後にチャイムを入れると、放送に対する明瞭性が高まる。「前置音」「後置音」の設定が可能な機種を選定するのが重要である。
非常放送設備、業務放送設備の設計手法については業務放送・非常放送設備の計画と設置基準を参照。
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