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平均照度

平均照度の概要と光束法

平均照度とは、ある空間の床面や机上面などの水平面において、全体的にどれくらいの明るさが確保されているかを示す平均的な数値のことである。主にオフィスや教室、工場など、部屋全体を均一に明るくする必要がある全般照明の計画において用いられる指標である。

平均照度の算出には、光束法と呼ばれる計算手法が広く採用されている。これは、部屋全体の光の総量を床面積で割ることで平均値を求める方法であり、以下の計算式(JIS Z 9110)によって導き出される。

E = ( F × N × U × M ) / A

ここで、Eは平均照度(lx)、Fはランプ1灯あたりの光束(lm)、Nはランプの灯数、Uは照明率、Mは保守率、Aは室内の床面積(㎡)を表す。この計算式を用いることで、目標とする照度を達成するために必要な照明器具の台数を概算することが可能となる。

計算精度を左右する係数

光束法の計算結果は、単なるランプの明るさだけでなく、空間の特性や環境要因を示す係数によって大きく変動する。

照明率(U)と室指数は、光源から出た光のうち、何割が有効に作業面に届くかを示す割合である。これは照明器具の配光特性だけでなく、部屋の形状を示す室指数や、天井・壁・床の反射率によって決定される。天井が高く間口が狭い部屋や、内装が黒っぽく光を吸収しやすい部屋では、照明率は低下し、必要な照明台数は増加する傾向にある。

保守率(M)は、照明設備は設置初期が最も明るく、時間の経過とともにランプの光束減退や器具への汚れの付着により明るさが低下することに配慮した係数である。保守率は、あらかじめこの経年劣化を見込んで設定する。LED照明の場合、一般的に0.63から0.81程度の値が採用され、清掃間隔や環境の汚れ具合に応じて選定を行う。

平均照度の限界と逐点法

光束法による平均照度計算は、部屋全体を一様に照らす場合には有効であるが、配光の狭いスポットライトを用いた演出照明や、局所的な作業照明の計算には適していない。光束法では部屋の隅や照明器具の直下など、場所ごとの明るさのムラ(照度分布)を知ることができないためである。

ある特定の地点の照度や、明暗のコントラストを詳細に検討する必要がある場合は、光束法ではなく、光源からの直接光を点ごとに計算する逐点法を用いる。これにより、平均値だけでは見えない照度不足やグレアのリスクを検証することが可能となる。

作業面高さの設定基準

照度計算を行う際、どの高さを基準面(作業面)とするかは、その部屋の用途によって異なる。

一般的なオフィスや会議室など、椅子に座って机上で作業を行う空間では、床面から75cmから85cmの高さを机上面として設定する。一方、和室や畳敷きの休憩室など、床に座って活動する空間では、座卓の高さである35cmから40cmを作業面として設定する。廊下や倉庫など、床そのものを対象とする場合は床面(0cm)を基準とする。正しい作業面高さを設定しなければ、実態と乖離した照度計算結果となるため注意を要する。

実務における照度計算については照度計算の方法と計算式を参照。

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