パルス検出器
パルス検出装置は、電力会社の受電点に設置された「取引用電力量計」から、電力量に応じたパルス信号を読み取るための装置である。これにより、電力会社の請求用電力量と同一となる「取引データそのもの」の電力量を、施設管理システムへ取り込むことが可能となる。
電力会社が受電点に設ける取引用計器は、そのまま請求データとして用いられるという性質から、建物の電力量を管理する場合には最も信頼性の高い数値となるが、パルス検出器が無い場合は、受電点に設けた私設の電力量計などからデータを取得することになり、数値の誤差が発生してしまう。
施設側のメーターと電力会社の取引用メーターでは、精度等級や計器誤差、計測タイミングのわずかなズレにより、必ず数値に差が生じる。パルス検出器は「電力会社が請求の根拠とするメーター」のデータをそのまま検出できるため、100%一致したデータを得ることができる。テナントへの電気代請求や検針業務を行う場合、電力会社の確定値と一致していることは、トラブルを防ぐための根拠として有用である。
そのため、精度の高い電力量信号を得たい場合に設けるのがパルス検出器であり、中央監視装置などにパルス信号を転送して積算し、課金情報のデータとして活用するなど、施設管理用データとして用いることが可能となる。
デマンドコントローラーに伝送すれば、警報の発報や空調機等の停止によるデマンド超過を防止することも可能となり、施設管理に欠かせない装置のひとつである。
パルスの提供申し込み
東京電力など主要な電力会社は、取引用計器から50,000パルス/kWhの信号を提供しており、このデータは申請すれば借用を受けることが可能であるため、高圧受電時は電気供給に関する手続きに合わせて、50,000パルスの申し込みをすることが一般的である。
パルス検出器本体は搭載機能によるが、100,000~150,000円程度の価格帯となっている。これに加えて、キュービクル内への取付工事費や、中央監視システムへの信号線施工費、システム側のエンジニアリング費用などが発生する。デマンド超過による基本料金の上昇や、電力量の自動集計による管理業務の効率化など多くのメリットがあるため、投資回収が十分に可能であると考えられる。












