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パイプベンダー

パイプベンダーの概要と加工品質

パイプベンダーは、金属製電線管(E管・C管・G管)を常温で曲げ加工するための専用工具である。露出配管工事において、建物の梁や柱の形状に合わせて管路をオフセットさせたり、コーナー部分を90度に曲げたりする際に用いられる。

電線管は電線を保護する役割を持つため、曲げ加工によって管の断面が扁平になったり、内側にシワが生じたりすることは避けなければならない。断面が変形すると、入線作業時に電線が引っかかり被覆を損傷させるおそれがあるほか、将来の配線更新時に電線が抜けなくなるトラブルの原因となる。そのため、内線規程などでは管内径の変形率や曲率半径(一般に管内径の6倍以上)について一定の品質基準が設けられている。

駆動方式の選定とステンレス管への対応

パイプベンダーには、作業者の腕力や体重を利用して曲げる「手動式(ハイヒッキー等)」と、油圧シリンダの推力を利用する「油圧式」が存在する。

ねじなし電線管や薄鋼電線管の小口径サイズであれば、手動式ベンダーでの加工が一般的である。一方、厚鋼電線管(G管)や大口径の配管は、肉厚があり人力での加工が困難であるため、油圧式ベンダーを選定することが望ましい。

また、ステンレス製電線管は鋼製電線管に比べて材質が硬く、伸びにくい特性がある。通常の鋼管用シューを使用すると、パイプが折れたり、ベンダー本体が破損するおそれがあるため、ステンレス管専用のベンダーやシューを使用する必要がある。

分電盤の下部に用いられたマシンフレキ

現場加工の難易度と既製部材の活用

パイプベンダーによる曲げ加工は、正確な寸法で、かつ美観を損ねずに仕上げるためには高度な熟練技能を要する。特に複数の配管を並列に敷設する場合、すべての曲率を均一に揃えることは容易ではない。

近年では、施工品質の均一化と省力化を図るため、あらかじめ工場で90度に曲げ加工された「ノーマルベンド」や、可とう性のある「金属製フレキシブル電線管(プリカチューブ、マシンフレキ等)」を使用するケースが増加している。これらは材料費としては割高になる傾向があるが、加工手間を削減できるため、トータルコストや工期の面で有利となる場合も多い。

パイプベンダーによって金属製の電線管を曲げる工事は、作業者の技量に左右される部分が多く、既製品のノーマルベンドや金属製のフレキ管を用いる施工を採用することも多い。未来工業のマシンフレキや、パナソニックのメカフレキなど、本来は設備機器への電線管接続部に対して振動を遮断するために用いるものであるが、プルボックスへの接続などでの位置調整に用いることもある。

ただし、フレキシブル管は本来、振動する機器への接続や、複雑な曲がりが必要な箇所への適用を主目的とするものである。直線部分や単純な曲がり箇所で多用すると、配管の支持間隔が密になることや、外観上の整然さが損なわれることもあるため、設置場所に応じた使い分けが求められる。

電線管の設計方法や仕様の詳細については電線管の種類と規格を参照。

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