電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > パイプベンダー
金属製の電線管を緩やかに曲げるために用いる、配管加工治具のひとつ。薄鋼電線管または厚鋼電線管を曲げるために用いられ、露出配管工事を行う際に位置調整のために電線管をゆるやかに曲げる。電線を通すのが目的であるため、通線障害にならないよう施工しなければならない。
急激に電線管を曲げると、内部を通した電線が引っかかってしまったり、配線改修時に抜けなくなるといった不具合を引き起こす。パイプベンダーは金属電線管に適用できるが、ステンレス製の配管は材質が違うため、流用すると配管を損傷するなど不具合の原因となるため、適合した工具を使用しなければならない。
90°しか曲げることができないが、足踏み式のベンダーを用いれば配管をきれいに、かつ折れる心配なく曲げることができる。厚鋼電線管など肉厚な電線管では、手作業で曲げることが困難なため油圧式のベンダーを用いている。
パイプベンダーによって金属製の電線管を曲げる工事は、作業者の技量に左右される部分が多く、既製品のノーマルベンドや金属製のフレキ管を用いる施工を採用することも多い。未来工業のマシンフレキや、パナソニックのメカフレキなど、本来は設備機器への電線管接続部に対して振動を遮断するために用いるものであるが、プルボックスへの接続などでの位置調整に用いることもある。
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