バイメタル
バイメタルとは、「2種類(Bi)の金属(Metal)」を張り合わせた材料を指す。特徴として「温度変化によって、決まった方向に曲がる」という物理的性質があり、熱膨張率の異なる2種類の金属板を張り合わせ、先端に接点を設けたものである。
熱膨張率の小さな金属は温度が変化してもそのままの形状を維持するが、熱膨張率の大きな金属は、熱を加えることで大きく変形する。すべての金属は、熱を加えると膨らむ「熱膨張」という性質を持っている。しかし、その膨らむ度合い(熱膨張係数)は金属の種類によって異なっており、高膨張側(膨らみやすい金属)と、低膨張側(膨らみにくい金属)を張り合わせた形状で構成される。
この膨張率が異なる2枚の板を強固に接合し加熱すると、一方が大きく伸びようとするのに対し、もう一方がそれを抑え込む。この「ひずみ」の結果、全体が弓なりに湾曲する。温度が下がれば元の形状に戻るため、この反復運動を「スイッチ」や「センサー」として利用できる。大きく膨らむ側は主に真鍮(しんちゅう)などが用いられ、膨らみにくい側は ニッケルと鉄の合金である「インバー」などが使われる。
バイメタルは、主に「温度制御」「安全装置」「計測」といった分野で用いられている。例えば、家電製品のサーモスタットとして、電気アイロン、電気ポット、トースターなどの加熱部が一定の温度に達すると「カチッ」と音がして電源が切れるのは、バイメタルが熱で曲がって回路を物理的に遮断しているためである。
閉じ合わせた状態の接点は、加熱されるとバイメタルが変形して接点が開放し、変形した金属板は冷却すると元の形状に戻ろうとする。加熱により接点開、冷却による接点閉という温度制御をバイメタルによって実現できるため、多くの電気機器にバイメタルが搭載されている。
蛍光灯におけるバイメタルの活用
一定の温度以上になることで接点を開閉できるため、蛍光灯の点灯管や各種熱機器の安全装置として活用されている。蛍光灯点灯のメカニズムのうち、バイメタルが受け持つのは下記の動作である。
- スイッチを入れると、グロースタータ内のガス(ネオンやアルゴン)が放電し、熱が発生する
- 熱によってバイメタルが曲がり、もう一方の固定電極に接触する
- 接触することで回路が閉じ、蛍光灯の両端にある電極(フィラメント)に電流が流れ、電極が温まる
- 接触によりグロースタータ内の放電が止まり、バイメタルが冷えて元に戻る。この「離れる瞬間」に、安定器(バラスト)から高電圧が発生し、蛍光灯が点灯する












