電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > パワー半導体
パワーMOSFETとも呼ばれ、高電圧に耐える素子を搭載し、数十から数百ボルトの電圧をオンオフ(スイッチング)したり、増幅するといった用途に用いられる。電気自動車(EV)やエアコンの制御、テレビ、洗濯機など家電製品に用いられているほか、電気自動車の分野では、車両に搭載された蓄電池からの放電に対し高い制御性を持ち、電圧・電流を最適化するなど、省エネルギーに貢献している。
インバーターを用いた制御は国内で極めて多く、自動車だけでなく電車やエレベーターといった移動する装置にも搭載されている。給水や排水にはインバーターポンプが用いられ、太陽光パネルや蓄電池はコンバーターとインバーターが搭載されている。
パワー半導体のひとつとして「IGBT(絶縁ゲート型倍ボーラトランジスタ)」などがある。大電力を取り扱うことができ、高速スイッチングも可能で、制御チップを組み合わせてパワーモジュールとして出荷される。インバーターの性能に直結するとも言われており、インバーターの高性能化は省エネルギーにつながるため、脱炭素の切り札として注目が集まっている。
エアコン、電気自動車を含めて、インバーターは多くのモーターを制御するために用いられており、周波数を調整することでモーターのソフトスタートを可能とし、負荷要求に対して出力に調整する事が可能となる。バルブやダンパーを調整することで出力を絞る方式と比べて、消費電力に与える効果が極めて大きい。これは省エネルギーを図るための装置ともなり、CO2の低減、脱炭素化につなげるために欠かせない。
インバーターに高度なパワー半導体を組み込むことで、インバーターの高性能化・軽量化を図り、省エネルギーに寄与する。国内だけでなく全世界で省エネルギーによる脱炭素化が求められている近年、市場の大きさが極めて大きいとされている。
サイト内検索