電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > はさみ金具
壁用のボードに連用枠を取り付けるための配線器具部品のひとつ。コンセントやスイッチを壁面に取り付けるためには通常、スイッチボックスやアウトレットボックスを事前に壁面に埋め込んでおく必要があるが、はさみ金具をボードに挟み込むことで、ボックスを用いずに壁面に連用枠を取り付けることができるため、スイッチやコンセントの増設が容易という特徴がある。ボックスレス工法とも呼ばれ、施工手順の簡易化が図ることができる工法のひとつである。
アウトレットボックスやスイッチボックスと違い、スタッド部分での固定がされておらず、ボードに対して前後から挟み込む力によって固定されている。ボードの切り欠き部分に設置するという特性から、挟み込む力が強すぎたり、ボードのカット部分が端部だったりすると、挟み込み部分が欠損するおそれがある。
金具はボードに挟まっているだけなので、配線器具の取付け・取外し字に部品を壁の中に落としてしまうことも考えられる。壁内に部品を落としてしまった場合、磁石などで取り出すしかないが、横桟が邪魔をして取り出すのは困難であり、放置するしかない場合が多い。
配線器具の交換時に、はさみ金具の部品を壁内に落としてしまったり、取り外した際にボードを割ってしまうおそれがあるため、施工要領や施工基準としてはさみ金具の使用を控えるよう指示されることも多い。壁内の配線は電線管で保護するのが原則であるが、はさみ金具では電線管が接続できないというのも理由のひとつである。
ボックスを取り付けし、電線管を接続し、かつ余分なボックス孔をあけないようにすれば、気流や虫などの入り込みの防止にもなり、施工品質は高くなる。
はさみ金具に電線管を差し込むことはできず、あとから配線のやり変えをするといった場合は施工が難しくなる。ボックスにPF管などの電線管を接続しておけば配線の引き替えも容易になるため、改修が想定されているような場合には、はさみ金具を用いない計画とするのが良い。
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