PE管
PE管の概要と構造
PE管とは、一般的にガス管や水道管で使用されるポリエチレン管とは異なり、電気設備分野においては「ケーブル保護用合成樹脂被覆鋼管」を指す通称である。
構造としては、強靭な配管用炭素鋼鋼管(SGP)を芯材とし、外面を耐候性と電気絶縁性に優れたポリエチレンで被覆し、内面を平滑性と防食性のあるエポキシ樹脂などでコーティングしたものである。鋼管の持つ機械的強度と、合成樹脂の持つ耐食性を兼ね備えており、JIS C 8380として規格化されている。
地中埋設と耐電食性能
PE管の最大の特徴は、優れた絶縁性能による耐電食性である。地中には、電気鉄道のレールなどから漏れ出した電流、迷走電流などが流れており、通常の金属管を埋設すると、電流の出入りによって電食による腐食が進行し、短期間で穴が開いてしまうリスクがある。
PE管は表面が絶縁体のポリエチレンで覆われているため、地中の迷走電流の影響を遮断することができる。また、酸やアルカリといった土壌成分に対する耐薬品性も高いため、長期信頼性が求められる電力会社側の地中配管網においては標準部材として採用されている。このため、需要家側から電力会社へケーブルを受け渡すための「突き出し配管(引込管)」についても、相互接続の整合性からPE管を選定するのが原則となる。
責任分界点での管種変更
高圧受電設備において、PE管が使用されるのは主に引込点から敷地内の第一柱(またはUGS:地中線用ガス開閉器)までの区間である。
電力会社の管理区分である引込ケーブルの保護には高い信頼性を持つPE管を使用するが、需要家側の管理区分(構内配線)に入った後は、コストパフォーマンスと施工性を考慮し、波付硬質合成樹脂管(FEP管)や一般の厚鋼電線管(G管)に切り替えて施工するのが一般的である。異なる管種を接続する際は、専用の異種管継手を用いて確実な止水処理を行う。
施工上の注意点と被覆の補修
PE管の防食性能は、外面のポリエチレン被覆が健全であって初めて発揮される。運搬や施工中に鋭利な岩石や工具と接触し、被覆に傷がつくと、そこから水分や電流が侵入し、内部の鋼管を集中的に腐食させる原因となる。
そのため、配管作業時には被覆を傷つけないよう慎重な取り扱いが求められる。万が一、被覆が剥がれたり傷ついたりした場合は、そのまま埋設せず、専用の補修テープや防食塗料を用いて被覆と同等の絶縁性を回復させる処置が必要である。また、露出配管として使用する場合、車両の衝突や人為的な損傷を受けるリスクがある場所では、被覆の剥離事故を防ぐため、コンクリート防護などの対策を講じるか、他の管種を検討することが望ましい。












