電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > NAS電池
大容量蓄電池システムのひとつで、鉛蓄電池よりもコンパクトで、大出力を長時間充放電可能であり、スマートグリッドを構成するためのインフラ構築用蓄電池として広く用いられている。NAS電池は日本ガイシの商標であり、独自に実用化に成功している。
数千kWの電気容量を持つため、スマートグリッドの安定化電池としての利用だけでなく、特別高圧の需要家での電力負荷の平準化にも用いられている。非常電源としてや、瞬時電圧低下対策にも使用でき、幅広い活用が期待されている。
NAS電池を導入する場合、敷地内にナトリウムと硫黄を大量に貯蔵することになるため、危険物の一般取扱所として消防法の手続きをしなければならない。電池火災の鎮火には乾燥砂の充填という方法しか用いることができず、水や消火剤の投入は化学反応が促進され火災を広げるおそれがあるため避けられている。
電池火災の完全鎮火には数週間を要するという特殊性があり、消防庁では火災対策として消防危第154号 ナトリウム・硫黄電池を設置する一般取扱所の火災対策についてが公開され、NAS電池には延焼防止板や短絡防止板が追加搭載され、安全性の向上が図られた。
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