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MDF

MDFの概要と責任分界点としての役割

MDF(Main Distributing Frame / 主配線盤)とは、通信事業者が敷設した外部通信線(局線)を建物内に引き込み、構内の内線ケーブルへ分配・接続するための集線装置である。オフィスビル、商業施設、集合住宅など、一定規模以上の通信回線を必要とする建築物において、通信インフラの中枢となる設備である。

MDFは、法的な「責任分界点」としての役割を持つ。通常、MDFの一次側(局線側)端子までが通信事業者の資産および管理範囲であり、二次側(内線側)端子以降が需要家の資産となる。故障発生時には、このMDFを境界として切り分け試験を行い、障害箇所が局側にあるのか、構内側にあるのかを判断する重要な拠点となる。

メタル線から光ファイバーへの移行と収容機器

かつてのMDFは、アナログ電話回線(メタル線)を収容する「端子板(クローネ端子等)」が整然と並ぶ形態が主流であったが、近年の通信インフラは光ファイバーによるIP通信が主体となっている。

現代のMDF室には、単なる端子盤だけでなく、光ファイバーを成端する「光接続箱」や、光信号を電気信号に変換する「ONU(回線終端装置)」、さらには構内ネットワークを構築するための「ルーター」や「L3/L2スイッチ」といった通信機器が多数設置される。これに伴い、壁面取り付け型の盤だけでなく、19インチラックまたは大型の木板を設置できるスペースや、構内LAN配線を集約するためのパッチパネル用のスペース確保が設計段階で求められる。

設置スペースとセキュリティ計画

MDFは通信インフラの心臓部であるため、不特定多数の人間が立ち入れないよう、施錠管理が可能な専用室(MDF室)に設置することが望ましい。

設計においては、将来的なテナント入替や通信需要の増大を見越して、十分な拡張スペースを確保しておく必要がある。特に、複数の通信キャリア(NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天等)がそれぞれ独自の引込ルートや機器設置を要求する場合があるため、壁面スペースや床面積には余裕を持たせることが推奨される。

また、本来はMDF質を確保スべきであるが、やむを得ずEPS内にMDFを設置する場合でも、メンテナンス員が作業できる足元スペースと照明照度の確保が不可欠である。

熱対策と環境維持(空調・防塵)

通信機器の高機能化に伴い、MDF室内の発熱量は増加傾向にある。ルーターやスイッチングハブ、PBX(電話交換機)などの電気機器は、24時間365日稼働し熱を発し続けるため、適切な熱対策を講じなければならない。

小規模なMDFであれば換気扇による強制換気で対応可能だが、大規模なサーバーラック等が設置される場合は、ルームエアコンやパッケージエアコンによる定温管理が望ましい。室温の上昇は、機器の熱暴走による通信断や、コンデンサの寿命短縮を引き起こすおそれがある。

また、地下階などの湿気が多い場所に設置する場合、結露によるトラッキング現象や基板腐食のリスクがあるため、除湿対策も検討する。盤内には埃が侵入しやすいため、防塵性能の確保や定期的な清掃も運用上の重要項目である。

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