KIV
屋内配線や盤内配線で使用される配線のひとつで、特に分電盤や制御盤の盤内配線に使用されることが多い、電気機器用ビニル絶縁電線である。IV電線よりも素線の撚数が非常に多く、より曲げやすいという特徴を持つ。ケーブルサイズは0.5sq~325sqまで幅広く販売されているが、22sq以上はJIS規格に定められていない。また0.5sqは電気用品安全法の対象外であるため、JISや法規制を条件とする用途での使用には特に注意を要する。
KIVはIVよりも柔らかく曲げやすいという特徴があるため、盤内で配線を張り巡らせる用途に適しており、盤内の電力線として広く用いられている。対して、電線管に収容して敷設することが基本となる施工で用いることはなく、そのような場合は単線または7本撚線であるIV電線を用いるのが基本となる。
IVは電線管内に収容してスイッチやコンセントの電力供給用に用いられている。IVとKIVの違いは素線数のみとなっており、電線管施工ではIV電線、盤内施工はKIV電線を用いると覚えて差し支えない。盤内配線は狭い箱内での配線工事となるため、可とう性が高い電線を用いることで施工性が向上する。
被覆の性能についても、IVとKIVに明確な性能の違いはなく、可とう性の違いが大きな特徴として区分されている。盤内配線としてKIV電線を用いる場合、被覆色は黄色とするのが標準である。ただし可とう性があるからといってロボットアームなど激しい動作による屈曲性が求められる用途に用いることはできない。












