電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > IBS
主にデータセンターなど通信系の施設に用いられる直流用分電盤である。データセンターなど通信系の建築物では、DC電源を必要とする機器が多数存在し、無停電電源装置(UPS)からの電源を受けて24時間稼働が行われている。UPSから送電される電力は、直流分岐盤(IPB)で複数の幹線に分岐され、それぞれの幹線ごとに分電盤が設けられる。直流幹線の系統ルールは、交流回路の配電系統と類似しており、大きな違いはない。
24時間常時稼働しているサーバー装置のような重要機器に対しては、直流電源を供給するための多回路分電盤が必要となり、直流幹線を受けてヒューズやサーキットプロテクタにて系統を保護した上で、他回路分岐系統から送電される。
供給可能な電流値も複数のラインナップがあり、電源側は200A、500A~1,000A以上など、大容量分電盤を受けることが可能で、分岐側も数アンペアから100Aといった大容量のものが選定可能である。配線用遮断器30回路以上を搭載することができ、プラグインタイプの小型遮断器がよく用いられる。交流仕様の分電盤と同様にSPDによる内部雷保護も可能となっており、必要に応じて選定する。交流回路の分電盤と同様、電圧や電流をマルチメーター等で表示することによる系統監視が可能である。
IBS内に発振予防コンデンサを収容することで、突入電流等による電流変化を抑制するなど、負荷の健全性を高めるための付属機器が搭載されている。直流回路は常に一定の電圧が流れ続けており、交流回路のようにゼロ電圧への推移が発生しない。そのため遮断器による回路遮断は交流回路よりも難しく、サーキットプロテクタだけでなくヒューズによる遮断も普及している。
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