Ethernet
コンピューターネットワーク規格のひとつで、オフィス用、家庭用を問わず、有線によって構成される LAN (Local Area Network) の最も広く使用されている規格である。イーサネット(Ethernet)は、コンピュータやネットワーク機器を有線で接続するための通信規格(技術標準)である。主に家庭、オフィス、工場などのローカルエリアネットワーク(LAN)で広く普及しており、現在では有線LANの代名詞として使われることも多い。
1985年に米国の電気電子学会であるIEEE(アイトリプルイー)によって「IEEE 802.3」という国際標準規格として認定された。これにより、異なるメーカーの機器同士でもネットワーク通信ができるようになり、世界中に普及した。
Ethernetは、端末となるPCに対し、LANケーブルやスイッチングハブといった接続機器を用いて構成される。PCなどの端末は「MACアドレス」と呼ばれる固有の番号によって管理され、このアドレスを持つ機器を宛先として指定することで、通信が行われる。
初期のEthernetの規格では、同軸ケーブルを用い、10Mbpsの通信速度が得られていたが、10BASE-Tと呼ばれる規格から、UTPケーブルが用いられるようになった。以降、100BASE-TX、1000BASE-Tなど、UTPケーブルを用いた通信規格が広く用いられている。
ネットワークの通信速度は数年で飛躍的に向上し、10Mbps、100Mbpsと次々に高速規格が発表され、近年では1Gbps、10Gbpsといった超高速規格も普及した。さらなる高速規格として、100Gbpsといった規格まで調整が進められている。
10BASE5、100BASE-TX、1000BASE-Xなど、速度によって数値がわかりやすく付記されており、建築電気設備の分野では100Mbps~1Gbpsの範囲での設計・計画が多くを占め、UTPケーブルまたは光ケーブルを用いた伝送が一般的である。
| 規格名 | 最大伝送速度 | ケーブルの種類 | 主な用途 |
| 100BASE-TX | 100 Mbps | ツイストペア | 旧世代のLAN |
| 1000BASE-T(Gigabit Ethernet) | 1 Gbps | ツイストペア | 一般家庭・オフィスLAN |
| 10GBASE-T(10 Gigabit Ethernet) | 10 Gbps | ツイストペア | データセンター、高性能LAN |
| 光ファイバー | 1 Gbps〜400 Gbps超 | 光ファイバー | 基幹ネットワーク、長距離接続 |
イーサネットの特徴
- ケーブルによる物理的な接続のため、Wi-Fiのような無線通信に比べて電波干渉や障害物の影響を受けにくく、通信が安定している
- データの送受信速度が速く、遅延が少ないため、安定してデータ転送を必要する産業分野などに適している
- 物理的にケーブルを接続する必要があるため、無線接続よりも不正アクセスのリスクが低い
- 世界標準規格であり、機器やインフラ互換性が高い












