電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > DALIシステム
国際規格である「IEC 62386」に記載されている、デジタル信号を用いた制御システムとして定められた規格のひとつである。DALI規格はオープンプロトコルで構成されており、DALIシステムに準拠した器具であれば、ひとつにシステム系統のなかに同時利用が可能となる。
汎用性が高く、メーカーに制限なく器具を接続できることが利点とされており、照明器具1台単位で点滅、調光などが可能であり、高い拡張性が特徴となっている。令和5年時点であるが、日本国内での普及はまだ広がっておらず、DALI対応照明器具も国内メーカーの限られたラインナップに留まっており、今後の普及が期待されている。
DALI対応品であれば、伝送線を1本の系統に一筆書きで接続することができ、それぞれ照明器具単位でアドレスが設定できることから、器具単体でのオンオフ、調光、グルーピングなども容易に設定でき、かつ変更も簡単となっている。グルーピングの設定などもあとから可能なので、オフィスのレイアウト変更や、工場の生産ライン変更などにも大掛かりな電気工事を行うことなく追従できる。
制御配線はCVV-1PやCPEV-1Pを使用すればよく、配線コストは安価に抑えられる。極性は特になく、電源線と並行しても支障ないものとされている。終端抵抗も不要である。
また、システム制御部と端末に対して双方向通信が可能で、点灯の制御命令をしたのに点灯しなかったなどの場合、フィードバックを受けて故障として警報するといった使い方も可能とされている。
高い汎用性と拡張性が利点であるDALIシステムであるが、現時点では国内生産品が少ないことが欠点として挙げられる。パナソニックや東芝ライテックなど主要な照明メーカーにもDALIのラインナップが存在するが、販売数が少なく選択の幅が狭い。
また、照明制御や調光システムは照明メーカー各社がシステムを用意しており、安価に展開できる体制が整っている。対して、DALIシステムを構築する場合は、電気工事による配線を主体とした従来のシステムに加え、制御と設定の工事が追加されるため、労務費やエンジニアリング費用が高価になりがちである、ということも欠点のひとつとして挙げられる。
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