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CEC/L

照明設備に対し、国の定めた基準に対して、達成度が不足していないかを判断するための基準値のひとつで、照明設備のエネルギー利用効率を数値で示したものである。英文「Coefficient of Energy Consumption for Lighting」の頭文字から、CEC/Lと呼ばれる。

標準的な建物のCEC/Lを「1.0」とし、これよりも小さな数値であれば、省エネルギーに配慮されていると判断される。産業部門、業務部門、住宅部門など用途を問わず、一定規模以上の建築物では、エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づいた計算を行い、照明設備の省エネ性能を確認しなければならない。

  • 照明エネルギー消費係数 = 年間照明消費エネルギー量 / 年間仮想照明消費エネルギー量
  • CEC/Lは「標準的な建物」との比較によって数値が決定される。一般的な建物では、「玄関やエントランス・執務室は明るい」「廊下やトイレ、機械室はそれよりも暗い」といった形で、一般空間が定められている。例えば、倉庫用途が主体であるのに照度を高く設定してしまうと、CEC/Lの数値は著しく悪化する。

    近年では、高効率なLED照明が普及しており、高い省エネ効果が得られるため、CEC/Lの数値が1.0を上回ることは稀である。ただし、店舗や展示場など、ハロゲンランプや水銀灯といった従来の照明をデザイン上多用していると、CEC/Lの悪化が予想される。部分的に数値が悪くなる場合、その他の場所で数値をカバーするなど、全体的な検討が不可欠である。

    照明設備は、タイマーや人感センサー、明るさ検出などによって省エネルギーを図る機能がある。これらを採用している場合「補正係数」を考慮して良いこととなっており、CEC/Lの値を小さく抑えられる。オフィスの執務空間などは、高出力の照明器具を多数設置するのが基本のため、ゾーニング制御や昼光制御を活用し、補正係数を考慮できる計画とすることで、CEC/Lの数値を低減すると良い。

    法改正によるCEC/Lの考え方

    省エネ法の改正により、照明のみのCEC/L算出ではなく、「空調」「換気」「給湯」「照明」「空調機」に対する一次エネルギー消費量が求められるようになった。CEC/Lやポイント法による評価は、従来方法として扱われ、今後は「標準入力法」「主要室入力法」または「モデル建物法」と呼ばれる方式で、一次エネルギー消費量を算出する必要がある。

     
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