電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > アンチパスバック
入退室管理システムに含むことができる防犯機能のひとつで、カードリーダーなどで制限された扉に対して、入室履歴がないIDカードでは退室時に開けることができないようにする機能。カードを持たずに共連れ入室をした場合に、内部に閉じ込めることでセキュリティ性を確保する。
基本的にセキュリティシステムは、外部からの侵入を防止する機能が多いが、侵入されてしまっても外に出さないという機能を付与することで、より性能を高めることができる。入室していないカードで退出しようとしたといった行為については履歴に残るので、検索することでどのユーザーがアンチパスバックに掛かったかを確認でき、盗難の有無や、利用方法の改善などにつなげることができる。
退出時にカードをタッチする必要があることから、片面カードリーダーの扉では成立しないため、アンチパスバック機能を有するためには両面カードリーダーを設けなければならない。
入室と退室の状態を管理する方法であるため「入室のためにカードリーダーをタッチしたのに中に入らず、再度入室しようとした場合」などにも効果を発揮する。
なお、入るとき、出るときのいずれも共連れをした場合には、セキュリティの抜け道になってしまうことや、複数人が連続して部屋にはいる場合に、扉が空いているためタッチを忘れてしまい、出ることができなくなったというような、運用上の煩雑さも考えられるため、セキュリティ強度を特に高めたい部分に限定して採用することも検討しなければならない。
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