電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 安全ブレーカー
住宅用分電盤に内蔵され、主にコード短絡の保護を目的とした小型の配線用遮断器。安全ブレーカーは配線用遮断器の中でも、10A~30Aの小電流回路を保護するためのブレーカーを指し、住宅用分電盤の分岐回路で多用されている。
定格遮断容量は配線用遮断器よりも小さく、1.5kA程度までが保護範囲となる。住宅におけるコード短絡や、電気の使い過ぎによる過負荷を保護するのが使用上の限界となり、これ以上の大容量を求める場合は汎用型や標準型の配線用遮断器を選定する。安全ブレーカーの動作の機構や仕組みは、これら汎用の配線用遮断器と同様である。
安全ブレーカーは電力用ヒューズと同じく過電流を即時遮断できるが、電力ヒューズよりも動作時間は遅い。繰り返し使用できるという利点があるため、電気回路の保護用としてヒューズを用いる事例は少ない。漏電に対する保護機能を持っておらず、漏電保護機能付き安全ブレーカーを選定するか、別に漏電遮断器の設置が必要となる。
安全ブレーカーは、サーキットブレーカーまたは配線用遮断器と機能的に同義であるが、動作機構は熱動による過電流引き外しが一般的で、過電圧引外しの機構はない。警報スイッチ、補助スイッチなど特殊仕様も存在しないため用途は限られるが、汎用の配線用遮断器よりも小型かつ安価という利点がある。
安全ブレーカーには「コード短絡保護」と呼ばれる、コード損傷による小規模短絡事故の保護に特化したものがあり、住宅や小規模事業所の末端負荷の保護において、安価かつ効果的な保護が可能である。
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