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暗渠(カルバート)

暗渠(カルバート)の概要と用途

暗渠(カルバート)とは、地中に設けられる四方をコンクリート壁で囲まれた管路・通廊構造物の総称である。

都市インフラにおいては、特別高圧・高圧電力ケーブル、通信ケーブル、水道管、ガス管などを一括して収容する「共同溝」として利用されることが多い。地中に直接埋設する方法と比較して、堅牢なコンクリート躯体により外部衝撃から設備を保護できるほか、将来的な配管・配線の増設や更新工事が容易であるという利点を持つ。

また、内部に直接雨水や排水を流す「水路」として使用される事例も多いが、この場合は当然ながら電力線や通信線の敷設スペースとしては使用されない。

ボックスカルバートとプレキャスト工法

断面が正方形または長方形のものをボックスカルバートと呼ぶ。多くは工場であらかじめ製造された「プレキャストコンクリート製品(PCa)」として現場に搬入される。

プレキャスト製品を採用する主なメリットは以下の通りである。

  • 品質の安定:管理された工場内で製造されるため、高強度で均質なコンクリート品質が確保され、耐久性に優れる。
  • 工期の短縮:現場では掘削した箇所にクレーン等で製品を据え付けて連結する作業が主となる。型枠組みや養生期間が必要な「現場打ちコンクリート」と比較して、天候の影響を受けにくく、大幅な工期短縮が可能である。
水が侵入しているボックスカルバート

電気設備設計におけるメリット

電力ケーブルの敷設ルートとして暗渠を採用することは、電気的・運用的にも大きなメリットがある。

ケーブルを土中に直接埋める「直接埋設式」や「管路式」では、周囲の土壌への熱放散が悪く、ケーブルの温度上昇がボトルネックとなり許容電流が制限される。一方、暗渠内は空気層があり放熱条件が良好であるため、同じサイズのケーブルでもより大きな電流を流すことが可能となり、ケーブルサイズの縮小や送電容量の増大に寄与する。

人が立ち入れるサイズ、またはケーブルラックが整備された空間であれば、目視点検が容易であり、漏水やケーブル異常の早期発見が可能となる。また、整然と配線されるため、回線増設時の作業効率も極めて高い。

電線・ケーブルの許容電流の計算方法や、事故事例については電線・ケーブルの許容電流を参照。

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