電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > アッテネーター
放送設備を構成する部材のひとつで、スピーカーの音量を調整するために用いる減衰器。アンプから送られる音声信号を減衰方向に調節して音量変える装置であり、放送系統の一部で音量を絞ることを目的に用いられる。なおスピーカー音量の増幅はできない。
アッテネーター内部には可変抵抗が設けられており、抵抗器の切り替えによって放送の信号レベルを減衰させて音量を調整できる。数段階の音量調整が可能なため、音量調節器やボリュームコントローラーとも呼ばれる。
アッテネーターとスピーカーを分離する方式と、スピーカーに内蔵または併設する方法がある。音量調整を行う必要がある会議室や事務室では、スピーカー本体にアクセスするのは非常に大変であることから、アッテネーターをスピーカー本体ではなく、壁付にすることが望ましい。
放送設備が2線式で構築されている施設であれば、配線系統ではHOTにNを接続し、COM線にRとSPを接続すれば音量調節ができる。
業務放送が非常放送を兼ねている施設用の放送設備では、非常放送が鳴動した際には、アッテネーターによって音量をゼロまたは減衰状態に設定していたとしても、非常放送を最大音量で鳴動させなければならないため「緊急線となるR線が1本追加」された3線式の配線構築が必要となる。
テレビ設備において、ブースターへの入力レベルが高すぎる場合、入力できる適正レベルにまで信号を減衰させるための装置もアッテネーターと呼ばれる。
業務放送設備や、非常放送設備の設計手法については業務放送・非常放送設備の計画と設置基準を参照。
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