アースターミナル
アースターミナルとは、電気機器の接地線(アース線)を建物が用意する接地極に接続するための専用端子のことである。コンセントプラグと一体ではなく、接地線を別に用意し接続するための配線器具のひとつ。通常はコンセントプレートの一部として組み込まれており、緑色の蓋が付いた小さなネジ端子や、ワンタッチ式の差し込み口の形状をしている。
アースターミナルの主目的は、電気機器の絶縁が不良となり電流が漏れた際、その漏電電流を速やかに大地へと逃がすためのルートを構築することにある。人体を電流が通過することで「感電」となるが、人体よりも電気抵抗の低いアース経路を事前に確保しておくことで、人が故障した電気機器に触れた場合に、電流が人体を流れる電流よりもアース側を大きくすることで、人体側の感電時の電気ショックや火傷といった電気事故を防ぐ。
また、感電防止の用途以外にも、オーディオ機器やPC、医療機器などにおいて、外部からの電磁ノイズを排出することで、動作の安定性を高める用途や、避雷器(雷ガード)を備えた電源タップなどをアースターミナルに繋ぐことで、落雷による過電圧を大地へ逃がし、精密機器の基板破損を防ぐというような機能も期待できる。
なお、コンセントと一体になった「接地極付きコンセント」もあるが、接地としての機能・性能は同一である。プラグに接地極が一体になっている場合は、コンセントに接地極付きプラグを差し込むだけでアースが確保できるが、プラグと接地線が別になっている場合は、接地端子に接続することでアースを確保できる。
配線器具としてのアースターミナル
アースターミナルを設ける場合コンセントチップ1マス分を必要とする。接地線はアースターミナルの下部から挿入する構造のため、プレートの最下部を使用して、プラグ接続の支障にならないよう配置する。
アースターミナルに接地線を接続する場合、レバー状のカバーを開き、接地線を差し込んで元に戻すというワンタッチ動作の製品と、ネジを緩めて下から接地線を差込み、ネジを締め直すことで固定できる製品がある。ネジ式が最も普及されており、確実な接続が可能だが、施工にやや手間がかかる。
ワンタッチ式の製品は、レバーを押し上げて1.25sqから2sqのより線、または1.6Φの単線が接続可能であり、端子部分に差し込んでレバーを下げることで固定される。
洗面所やキッチンにおいては、ウォシュレット、冷蔵庫、電子レンジなど漏電による事故のおそれがある特定機器に対して、接地線の接続が求められているため、接地端子の設けられたアースターミナルが必須となる。
洗濯機の取付工事において、近接する水道管にアース線を巻き付けるような接地工事が散見される時代もあったが、近年では水道管の材質がポリエチレンとなっていたり、配管が地面まで導通していないことがほとんどで、施工方法では有効な接地工事とならない。アースターミナルに接地線を接続するのが原則である。
接地線は接続しなくても電気機器が動作するため、接続せずに電子レンジや洗濯機を使用する事例も多いが、水回りの電気機器は漏電が発生しやすく、漏電した電気機器に接触して感電事故を引き起こさないためにアースへの接続が必要である。洗濯機、冷蔵庫、電子レンジは、水気のある場所に設置する電気機器であることから、感電防止のため接地線を適切に接続することが義務付けられている。
接地工事の詳細については接地工事の種類と接地抵抗を参照。












