VFFビニル平形コード | VCTFとの違い・使用場所の制限

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VFFビニル平形コードの概要

VFFはビニルコードのひとつであり、ビニル平行線とも呼ばれている。ビニルコードは家庭用電気機器の電源線として広く普及している。ビニルコードの先端にコンセントプラグを取付け、壁コンセントやテーブルタップに差し込んで使用するのが一般的である。テレビやスタンド照明、扇風機、ドライヤー、電子レンジなど、家庭内で用いる家電製品のほぼ全てに使用されている。

ビニルコードはケーブルと比較して強度に劣るため、造営材に固定して使用したり、天井転がしで敷設することは認められていない。ここでは、ビニルコードの法的規制や特性について解説する。

一巻きだけ縛られたプラグ付きVVFコードの写真

VFFビニルコードの構造

VFFは、より線の導体を塩化ビニル樹脂で絶縁しているのみで、非常に簡易な構造である。VVFケーブルのように強固なシースに保護されているわけではないが、耐水性や可とう性に優れており、加工が容易で取り扱いやすいという利点がある。

塩化ビニル樹脂は着色が容易なため、黒や赤・グレーなど数多くのカラー製品が販売されている。家庭用電気機器への電源供給に合わせているため、線心数は2心である。広く使用されているVFFの断面積は下記の通り。

家庭用のため、定格電圧は300V、許容温度60℃までを上限としている。VFFよりも高い耐熱性能が必要な場合、HVFF二種ビニル平形コードを使用することで、許容温度を75℃まで高められる。

VVFビニル平形コードの使用制限

コードは、電球線または移動電線として使用することが定められており、固定配線として敷設してはならない。ただし、ショーウィンドウやショーケースの内部配線であれば、例外として固定可能となっている。

コードは許容電流が小さく、被覆強度も低いため、構造物に支持固定をすると被覆や心線が傷つき、電気抵抗が高くなる。電気抵抗が増大した部分は、電流が流れると大きく発熱するため危険である。異常発熱により、発火や焼損につながるおそれがある。

コードは移動電線として使用することが原則であるが、固定された電気機器にコードが付属している場合もある。内線規程3203-3では下記のように定めている。

記載されている通り、強固に固定することは禁止されているので、金属ステップルなどを使用し、柱や間仕切り壁に固定してはならない。

VCTFビニルキャブタイヤ丸形コード

VCTFは、ビニルキャブタイヤ丸形コードと呼ばれる。導体をビニル絶縁体で覆い、ビニルシースで外側を被服した構成であり、屋内で使用する300V以下の電路に適用でき、小型電気機器の移動電線として利用されている。

家庭用電気機器の電源コードや、信号伝送用などとして幅広く普及している。可とう性の高い「より線」になっているため、移動電線としての特性は非常に良好である。

耐熱性が要求される場所に敷設する場合、二種ビニルキャブタイヤ丸形コード(HVCTF)が使用される。耐熱温度は75℃となる。HVCTFは耐熱性を高めるため、耐熱ビニル絶縁体が使用されている。

0.5sq以下のVCTFでは、100V未満の回路でしか使用できないため、細いコードは制御線のような低い電圧利用に限られる。

 
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