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電気設備の知識と技術 > 電線・ケーブルの種類 > VCTFビニルキャブタイヤ丸形コード

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VCTFビニルキャブタイヤ丸形コード

VCTFはビニルキャブタイヤ丸形コードであり、屋内で使用する300V以下の電路に適用できる電力用コードである。柔軟性が非常に高いため、小型電気機器の移動電線として利用されている。耐水性や耐熱性が高く、過酷な環境にあっても高い耐久性を保つ。0.5m㎡以下のVCTFでは、100V未満の回路でしか使用できない。

VCTFは、工場における自動化機器の配線など、常に移動を伴う電気機器・ロボットの配線(電源線・信号伝送用配線)として利用されている。制御盤内配線や電源供給用配線にも活用されるなど、幅広く普及している。

撚り線になっているため可とう性が良く、移動電線としての特性は非常に良好である。耐熱性が要求される場所にVCTFを用いる場合、HVCTFを選定する。HVCTFは二種ビニルキャブタイヤ丸形コードと呼ばれ、耐熱温度は75℃となっている。

VCTFの構造

VCTFは、導体をビニル絶縁体で覆い、外側にビニルシースを被覆したコードのひとつである。HVCTFは、導体を耐熱ビニル絶縁体で覆っているため耐熱温度が向上しており、許容電流を大きく確保できる。

VCTFの規格

VCTFはケーブルではなく「コード及び移動電線」に分類されるため、造営材に支持固定することは禁止されている。これは電気設備技術基準、及び内線規程に定められた規制であり、「コードは電球線及び移動電線として使用する場合に限るものとし、固定した配線として使用しないこと」と記載されている。これにより、ケーブルラックや鉄骨・間仕切りなどにVCTFを固定することは禁止されている。

移動電線という名称の通り、電線が移動するような利用方法が基本であり、ケーブル本体をステップルで柱やボードに固定するような敷設をしてはならない。

ここで定められている「コード」というのは、小型の可搬用電気機器に電源を供給するための電線であり、建物など造営材への支持固定をすることは想定されていない。コードは許容電流が小さく、ケーブルよりも構造的に弱いため、支持固定をすると被覆や心線を傷つけるおそれが高く、異常加熱や発火の原因となる。

S-VCTF ソフトビニルキャブタイヤ丸形コード

VCTFのソフトタイプである。本体の柔軟性が非常に高く、低温でも柔軟性を維持するため寒冷地でも使用可能である。曲げに非常に強く、激しい屈曲にも耐えるという特性を持っている。

VCTとの違い

VCTはビニルキャブタイヤケーブルと呼ばれる「ケーブル」のひとつである。600V以下の電圧で使用できる「ケーブル規格」の移動電線である。

建物や電柱、造営材に固定せず移動電線として使用するのが基本となるが、VCTFと違いコードではなくケーブルに分類されるため、固定してはならないという規制から外れ、造営材や電柱に固定して使用できる。

固定して使用しても良い範囲の電圧や敷設場所に規制があるため、採用するVCTケーブルの種類による区分を把握し、適正なケーブルを選定することが重要である。

 
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