VCTケーブル | キャブタイヤケーブルの種類と規格

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VCTケーブルの概要

VCTケーブルは低圧電路において、主に移動電線用として使用されるケーブルであり、キャブタイヤケーブルとも呼ばれる電力用ケーブルである。移動電線とは、建物や電柱などに固定せず、ケーブルが移動できるように敷設し、造営材への固定を前提としていない。エレベーターのように上下移動を伴う電気機器は、かごの上下移動にあわせてケーブルも移動しなければならない。

VCTケーブルは、可搬式の小型発電機や溶接機など、工事中に使用する電気機器にも広く使われている。過酷な繰り返し移動による機械的衝撃やストレスに対して強く、張力・屈曲・捻転といったストレスに耐える性能を持ち、工事現場ではしばしば用いられる。

エレベーターかごがシースルーとなっている写真

VCTケーブルの性能と種類

VCTケーブルの敷設場所に応じて、ビニルキャブタイヤケーブル、クロロプレンキャブタイヤケーブルの2種類を使い分ける。クロロプレンキャブタイヤケーブルにはさらに3種の分類がある。

数字が大きくなるほど高性能であるが、ケーブル外径が大きくなり、重く、高価となる。2種キャブタイヤケーブルは汎用的な用途に使用され、3種キャブタイヤケーブルは損傷を受けるおそれの高い、過酷な環境での移動電線に採用される。

移動式クレーンやエレベーターの内部配線は、建物側の電気設備設計ではなく機器の専門メーカーで設計を行うため、電気設備の設計において、照明器具やコンセント、各種動力機器への電源供給用として、VCTケーブルを採用することはない。

ビニルキャブタイヤケーブル

導体をビニル絶縁体で覆い、外装をビニルシースで構成したVCTケーブルである。軽く取り扱いが容易で、安価という特徴があるが、他のVCTケーブルと比較して強度や耐候性が低く、電球線としては使用できないという規制がある。

可燃性の粉塵が多い場所、アーク溶接機の変圧器から「被」溶接機までの配線など、多くが工事現場で使用される。溶接機用ケーブルとして使用する場合、変圧器から溶接電極に至る部分には使用できないので注意を要する。

2種キャブタイヤケーブル

シースにクロロプレンゴムを使用したキャブタイヤケーブルで、「可とう導体」「絶縁体」「シース」で構成されるVCTケーブルを「2種」と規定している。外装材料となるシースのみで構成されており、移動電線として使用できるが、補強はされていない。

電球線、移動電線として、多様な場所に適合するが、爆発性粉塵の多い場所、火薬類を取り扱う場所、可燃性ガスが存在する場所など、危険性の高い場所では使用できない。

3種キャブタイヤケーブル

シースの中間層を補強し、キャブタイヤシースを二重にすることで耐衝撃性や耐磨耗性を向上させたVCTケープルを「3種」と規定している。基本構成は2種と同様であるが、外装に綿帆布補強を挿入し、強度を増しているのが特徴である。

高圧電路を除き、ほぼ全ての場所に適合可能なキャブタイヤケーブルのひとつであり、高い機械的強度と耐候性を持ち、工場、湾港、製鉄所など過酷な環境にも適合する。

4種キャブタイヤケーブル

線心間にクレードルコアを入れ、3種よりも耐衝撃性や耐磨耗性を向上させたVCTケーブルを「4種」と規定している。

4種キャブタイヤケーブルは「鉱山保安規則」の「坑内配線等」において「コールカッター用に使用するとき等損傷を受けるおそれが多い場合」に使用することが規定されている。非常に過酷な環境にも耐えられるような補強がされている。

高圧用キャブタイヤケーブル

6,600Vや3,300Vなど、高圧電路に使用するキャブタイヤケーブルである。2種と3種のみ規定されており、屋内・屋外・トンネルや坑道で使用可能とされている。

VCTケーブルの規格

VCTケーブルは、JIS C3312に規定されている仕様に準拠している。JISでは、VCTケーブルの導体抵抗、耐電圧、絶縁抵抗、シース引張特性、加熱後引張強さと伸び、耐油性などが規定されている。

ビニルキャブタイヤケーブルの構成

心線に軟銅集合より線を使用して可とう性を高め、ビニル絶縁体で被覆し、ビニルシースで覆っている構成のVCTケーブルである。曲げやねじり、磨耗に強く、耐水性や耐油性も高いという特性がある。

VCTケーブルの法規制

工事用仮設電源などを設計する場合において、VCTケーブルを、移動電線ではなく「配線」とする場合、300V以下の負荷への電源供給が原則である。

300Vを超える負荷へ電源供給する場合、クロロプレンキャブタイヤケーブルの3種以上を使用する。高圧の電源供給の場合、高圧用クロロプレンキャブタイヤケーブルを使用しなければならない。

使用場所や適合電圧が非常に細かく規制されているため、電気設備技術基準の解釈を確認し、合致していない場所に敷設しないように注意を要する。

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