電気設備の知識と技術 > 電線・ケーブルの種類 > AEケーブル
AEケーブルは警報用ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルと呼ばれる。警報用の信号供給用ケーブルとして用いられ、放送スピーカーや自動火災報知設備の感知器など、弱電流電線として使用される。
AEケーブルには耐火性や耐熱性がないため、感知器配線として使用する場合は、P型受信機に接続する場合に限られる。一般感知器の場合、電線の焼損や切断によっても警報を出力できるため、耐火性の有無は問われない。
AEケーブルの線種は、0.65mm、0.9mm、1.2mmの3種類が販売されており、全ての線心が着色識別できるよう配色が施されている。
被覆はビニルシースとなっており、直射日光に弱いため屋内使用を原則とする。ビニルシースに直射日光を当てると、ビニルが紫外線の影響で劣化し被覆が割れ、絶縁性能の低下や誤発報の原因となる。
直射日光の当たるおそれが有る場合は、電線管に収容するか、黒色テープを巻くといった対策を要する。
AEケーブルは、ハイインピーダンス方式の放送回路にも使用されている。非常・業務放送の兼用システムであれば、耐熱性が求められるためHPケーブルを使用しなければならないが、業務放送のみを行う系統であればAEケーブルが使用できる。
業務放送用のケーブルとしてAEケーブルが採用できるが、非常放送兼用の場合は耐熱性のあるHPケーブルとしなければならない。
非常放送を供給していない放送区域であれば、AEケーブルとHPケーブルの混在もあり得るが、配線種別の間違いを避けるため、すべての系統をHPケーブルとするのが安全である。
P型受信機に接続する感知器の場合、感知器は警戒区域ごとにブロック分けされている。感知器が火災を感知し発報した場合、「○○エリアで感知器が作動した」という表示がなされるが、個別の感知器ごとの場所までは把握できない。
P型受信機に接続された感知器の配線が断線した場合、「○○エリアで異常発生」という検出信号が送信される。これは「電線が燃えて断線した」とも判断できるため、耐熱電線をもちいて感知器配線が切断されないよう保護する必要はない。
R型受信機に接続するアナログ感知器は、AEケーブルの使用を禁じており、HPケーブルが用いられる。アナログ感知器は、全ての感知器にアドレス(固有番号)が決められており、どの感知器が作動したかまで把握できる高機能なシステムである。
感知器配線が断線すると、その部分から端末までの感知器が全て使用不能になり危険である。採用システムに適合した配線を選定し、計画しなければならない。
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