電気設備の知識と技術 > 電気の基礎知識 > スイッチとプレートの種類
スイッチプレートとは、照明のスイッチやコンセントなど、埋込用の配線器具を取り付けた上に被せて使用する金属、または樹脂製のカバーで、安全性や意匠性の向上を図るものである。
住宅用として、樹脂製で白・ベージュなど落ち着いた色合いの「モダンプレート」、事務所や店舗用として、耐候性・耐久性の高い「新金属プレート」が幅広く使用されている。耐候性を高めた製品として「ステンレスプレート」なども、スイッチプレートの一種として販売されている。
主に住宅用スイッチプレートとして普及しており、従来のフルカラー配線器具よりも操作面積が大きく、プッシュオン・プッシュオフ機構により操作が容易となる。オンオフの状態によってスイッチの押し込まれている位置が変わらず、フラットな形状が維持される。
表面の面積は従来の片切スイッチの7倍も大きいため、指ではなく肘や手の甲などで操作することもでき、不慣れな子供やお年寄りのスイッチ操作にも適している。
モダンプレートはプラスチック製の無地スイッチプレートであり、住宅や事務所などで広く使われている。壁紙や塗装にマッチする落ち着いた色合いが特徴である。
プレートの表面が樹脂製であり、業務用掃除機やイベント会場の電源用など、頻繁にコンセントを抜き差ししたり乱暴な使い方をすると、スイッチプレートにキズや割れが発生する。
使い方が乱暴になるおそれがある場所や、頻繁なコンセントの抜き差しが考えられる場所は、新金属プレートやステンレスプレートなど、強度が高い金属製のスイッチプレートを採用すると良い。
新金属プレートとは、耐食アルミニウム合金を使用したスイッチプレートで、ABS樹脂のスイッチプレートよりも強度が高く腐食に強いため、業務施設用のスイッチプレートとして広く普及している。
業務用施設はコンセントやスイッチの使用頻度が高く、かつ不特定多数が使用するため、耐久性の高い新金属プレートが多用されている。繰り返しコンセントの抜き差しを行うような、耐久性が求められる箇所に適している。
新金属プレートには、表面にネジが見える「1種スイッチプレート」と、ネジを内側に収納した「2種スイッチプレート」がある。ネジを内側に収容した製品は意匠上すっきりとした見栄えになるが、ネジの取り外しにわずかながら時間を要する。
新金属プレートの表面はホワイトブロンズカラーとなっており、住宅や、高級感を必要とする部屋にはあまり適していない。壁の仕上げにクロスを貼る場所など、その種類・塗装色によっては違和感を覚える可能性がある。新金属製よりABS樹脂のカラープレートが、デザイン上マッチすることもある。
新金属に似た色合いや形状であるが、素材をステンレスとすることで強度や耐久性をより高めた製品である。光沢が新金属よりも強く、室内で使う場合は経年劣化がほとんどないが、指紋がつきやすく汚れやすいという欠点があるため、定期的な清掃が不可欠である。
新金属製プレートが広く普及し、ステンレスプレートの流通量がそれほど多くないため、他のスイッチプレートと比べて単価が高いことに注意が必要である。
住宅や宿泊施設用に、陶器、木、真鍮、大理石、ステンレスなどを使用した製品が販売されている。これらの特殊プレートは、標準販売されているモダンプレートや新金属プレートと違い、意匠性に優れたものであるが、単価が高く一枚あたり数百円~数千円までのラインナップがある。
クロムメッキのプレートや、アンティーク調に仕上げたものなど、列挙にいとまがないほど多数販売されているため、設置する周囲の状況にあわせて選定できる。
木造住宅では、木の色合いや木目を活かしたデザインがあるため、スイッチプレートも木製を選定するとデザインがマッチする。木目を生かした製品や、ネジが隠れるように設計された製品など、デザイン性の高いスイッチプレートが数多く販売されており、洋風建築やカントリー系の住宅内装で使用できるよう真鍮製のスイッチプレートも存在する。
和風建築に適合するよう、漆塗りのプレートや陶器製プレートなど多様化する内装デザインにあわせて、数多くの製品が販売されている。陶器製プレートは割れやすく、木製や漆塗りプレートはひび割れ・キズなどが発生するおそれがあるため、取り扱いに注意が必要である。
他にも、映画やアニメキャラクターの絵柄などがプリントされているプレートも販売されており、子供部屋など、住宅用として使われることが多いが、同様に単価が高い傾向にある。
コンセントやスイッチ本体を交換する場合は、配線の接続を含む工事が発生するため電気工事士の資格が必要であるが、スイッチプレートの交換に電気工事士資格は不要である。
しかし、スイッチプレートを取り外すことで内部の充電された配線が露出することになり、不用意に接触すると感電事故につながるので、プレートを取り外す場合は対象となる電気回路のブレーカーを落とし、電気が来ていない状態で作業を行うのが安全である。
スイッチプレートの左右または上下にツメがあり、指やマイナスドライバーを引っ掛けて外せる。プレートを外すと、壁の裏側にスイッチボックスという金属またはプラスチックのケースが入っているか、はさみ金物で壁に挟み込まれて、連用取付枠と呼ばれる金属製の枠で壁に固定されている。
ベース部品が、取付枠にネジで固定されているため、プラスドライバーでネジを回してベース部品を取外し、新しいベース部品を取り付け、スイッチプレートをはめ込むことで交換できる。
プレートやボックスを固定するネジの位置は規格化されているため、同じサイズのスイッチプレートを用意すれば、問題なく取り付けられる。コンクリート躯体にボックスが打ち込まれている場合は、多少の力を入れても壊れにくいが、石膏ボードに固定されているスイッチボックスやはさみ金物の場合、締め付け過ぎると石膏ボードが破損してしまい、設置が不可能になるので、取付は慎重に行うべきである。
ブランクプレートは、スイッチやコンセント器具を取り外したあとに、ボックス内部に異物が侵入しないように塞ぐためのプレートである。表面に何も開口がないため、照明器具などを取り外した後に、プレート止めとすることがある。
防水パッキンが付属したスイッチプレートであれば、防水性を保つことが可能である。意匠性が必要な場合はモダンプレートを使用し、耐候性が必要な場合は新金属製や、ステンレス製のスイッチプレートを選定すると良い。
2個用や3個用の開口があるスイッチプレートを採用した場合で、開口部が余ってしまった場合、開けたままにすると内部にほこりや虫の異物が侵入し危険なので、ブランクチップを使用して開口を塞ぐ。
ブランクチップは自由に取り外しができるので、将来的に配線を入れ替えたり、スイッチやコンセントを増設する際にも便利である。
一つのプレートに、コンセントやスイッチを取り付けられるもので、一般に呼ばれる「スイッチプレート」と同義である。上下に2個取付できるもの、3個取り付けできるものがあり、規格品のため各種メーカーのスイッチやコンセントが適合する。
ボックスとプレートの間に位置し、連用コンセントや連用スイッチを取付け、ボックスとプレートを固定するために使用する金属枠である。
金属製よりも絶縁性が高い、ABS樹脂製の絶縁取付枠もある。樹脂製であり、金属製と比べて強度が劣る。
連用枠は何度も取外し再取付が可能であるが、連用スイッチの取り外しや交換を何度も繰り返すと、固定部分が金属疲労により破損するので、数回に留めるのが限界である。
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