電気こたつの種類と仕組み

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電気こたつの概要

電気こたつは、床を掘り込んで底部に発熱体を設置する掘りごたつと、木製やプラスチック製のテーブルの下部に発熱体を設置したやぐらこたつの二種類が代表的である。

やぐらこたつは、テーブルの下部には発熱体を設置し、布団でその上部を覆うことで保温する構造のこたつである。布団を取り外すことで、座卓(テーブル)として年中使用できる製品が一般的に普及している。

発熱体は直接触れるとやけどをするので、保護網が設置されている。自然対流で暖める製品や、発熱体の周囲にファンを内蔵し、効率よく温風を四方に送り出す機構を持たせている製品もある。どちらの場合も、手元操作のコントローラーで温度設定を行う。

掘りごたつは、その名前の通り床を掘り込んだ形状のこたつである。熱源は足元に設置されており、やぐらこたつのようにファンを使用しなくても、自然対流で熱が循環するため、熱効率が良いという特徴がある。腰掛けられるため、腰への負担を軽減できる。

しかし、掘りごたつは必然的に床よりも下になるため、設置する場合には床を大きく掘り下げるか、床を嵩上げして掘り込む必要がある。

こたつを構成する電気機器

こたつは「発熱体」「サーモスタット」「コントローラー」の3つを用いて、安全かつ効率の良い発熱を行う。

赤外線ランプヒーター方式

赤外線ランプヒーター方式は、赤外線を放出するランプを用い、発熱体としている。電力はほとんどが光に変換され、光とともに赤外線が効率良く、かつ安定的に放出される。主にハロゲンヒーターを用いた製品が主流である。

発熱は白熱電球と同じ仕組みであり、電源オンによりランプが点灯し、すぐに暖を採る事ができる即暖性が高い方式であるが、ランプの出力はそのまま器具のサイズに直結するため、発熱体が大きくなりがちである。電球の欠点として衝撃に弱いという欠点も抱えている。ハロゲンヒーターの寿命は約8,000時間とされ、初期から寿命末期まで安定した放熱できる。

石英管ヒーター方式

石英管ヒーター方式は、耐熱性の高い石英管にニクロム電熱線を収容し、ニクロム電熱線に通電することで発熱を行う。輝度を小さく抑えられ、遠赤外線の放出性能に優れているが、暖まり始めるまで20~30秒の時間を要するため、即暖性に劣る。ニクロム線の寿命は約7,000時間とされている。

こたつの温度調整方式

電源を常時オンにしているだけでは、温度調整ができず際限なく発熱体が熱くなってしまい危険である。こたつはサーモスタットやマイコンを内蔵することで、温度調整を行っている。

サーモスタット方式

サーモスタット方式では、単純なバイメタルによる温度調整を行う。バイメタルは熱膨張率の異なる2枚の金属板を張り合わせた形状をしており、一定の温度以上になると片側の金属が湾曲して接点を切り離し、オフ状態となる。

オフ状態が継続し、バイメタルが冷やされて元の形状に戻ろうとし、接点が接触するとオン状態に戻り、発熱を再開する。こたつ内部では発熱のオンオフが繰り返されるため、温度変化が大きくなるという欠点がある。

マイコン方式

コントローラーに内蔵されたサーミスタで温度検出し、マイコン制御によって発熱体への通電をオンオフする。温度の変化に追従して動作するため、こたつ内部の温度変化は緩慢になり、温度環境はサーモスタット方式よりも良好である。

こたつの消費電力と電気代

こたつは電気ヒーターを内蔵した暖房器具であり、高い消費電力を必要とする。長時間使用すると電気代も高くなる。マイコンやサーモスタットにより温度制御がなされる場合、出力が小さい状態では100W程度で運転できるが、オンにした瞬間など出力が大きい状態では、500~600Wという大電力を使用する。

常時500~600Wが使用されることはないが、定格最大出力600Wのこたつを強運転した場合、1時間あたり200~300Wh程度の電力量が見込まれる。200kWhの電力を消費するこたつを1時間運転した場合を考えてみる。1kWhあたりの電気代を22円として試算した場合、0.2kWh × 22円/kWh = 4.4円 の電気代が1時間あたりに掛かる計算となる。

安全に使用するための注意事項

こたつは保護網や温度ヒューズをはじめとした安全装置を内蔵しているが、人体付近に発熱体が存在すること、また高い温度を扱う電気機器でもあることから、取扱説明書に記載された使用方法を遵守するのが重要である。

こたつによる事故は1~2月に多発するとされており、年間30~40件の重大事故が発生している。その多くは製品に起因している事故ではなく、使用者の不注意によるものである。

天板・布団を取り付ける

天板や布団が設置されていない状態での使用は、内蔵する温度センサーが適正に動作せず、常時発熱体が通電状態となるため異常発熱による故障を誘発する。温度ヒューズが切れてしまったり、温度ヒューズが適正に動作しなければ火災のおそれがある。

天板と布団を完全に取り外した状態で使用することは稀可能性があるが、布団が片開きになっていたり、部分的に開放されている状態でも同様のため、使用時は注意が必要である。

事故座椅子をこたつと併用している時、座椅子をこたつに押し込むことで布団が発熱体に接触してしまい、布団が焦げて発火したという事例がある。これはこたつで衣類を乾している場合にも発生することがあるため、こたつ内部で衣類を乾かすのは厳禁である。発熱体に布類を近づけないのが重要である。

損傷したコードを使用しない

こたつで発生する事故の多くは、コードが強く屈曲していたり、テーブルなどが上に乗ることで損傷し、ショートして発火するという原因で発生している。コードのスイッチ部をこたつ内部に入れてしまうと、発熱体の熱により溶融したり、こたつへの出入りで引っ掛かり損傷するので注意が必要である。

長時間の使用を避ける

こたつの長時間使用は低温やけどの原因となる。低温やけどは、40~60℃という、一般的に接触しても強い熱さを感じない温度でも、長時間接触することでやけどと同様の症状となる現象で、高齢者や乳幼児の場合は危険性が高くなる。乳幼児、高齢者はもちろん、飲酒や投薬により眠気を誘発している状態でも、低温やけどの危険性が高まる。

使用中のヒーターを見つめない

赤外線ランプを用いた発熱体の場合、光の放出が大きいため発熱体を見つめるのは眼を痛める原因となる。

タコ足配線をしない

こたつは他の家電製品と比較し、300~500W以上という大きな消費電力を持つ電気機器である。できる限りコンセントを単独で使用するようにし、テーブルタップなどを使用する場合は定格電流を超過しないよう注意を要する。テーブルタップの定格電流は15Aであるが、製品によっては10Aなどもある。

こたつ下部に敷物をする

こたつは発熱体が収容されているため、やぐらこたつではその下部にある床材が変色したり、変形する。Pタイルのプラスチック製床材や、コルクマットなどは熱による変形のおそれがある。

床が畳の和室等で使用する機会は多いことが考えられるが、新しい畳では、直射日光で畳が変色するのと同様、こたつの下部だけが変色してしまうことがある。こたつ下部に敷物をすることで、床材の保護だけでなく熱を逃さず暖かさを維持できる効果もあるので、できる限り敷物をすると良い。

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