感知器の仕様と設置基準

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感知器と自動火災報知設備の概要

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自動火災報知設備は感知器によって火災を早期検知し、住人や管理者に知らせて避難や消火活動を促す設備です。熱によって警報を発するタイプと、煙によって警報を発するタイプの二種類が代表的です。熱感知器と煙感知器に分類されます。また、炎が検知器に映り込んだことを検知する炎感知器もあります。感知器の種類と設計時の注意点、代表的な火災受信機の種類と特徴について、解説します。

感知器とは

感知器とは「火災によって発生する熱・煙・炎を利用して、自動的に火災を感知し、火災信号や火災情報信号を受信機・中継器・消火設備などに発信するもの」とされています。熱を感知するものを熱感知器、煙を感知するものを煙感知器、炎を感知するものを炎感知器として区分されています。

感知器は、熱・煙・炎それぞれに大きな違いがあり、設置方法が消防法で定められています。必ず法規に満足できる設置場所があれば良いですが、建築プランによっては法規を満足できない事がありますので、所轄消防への確認が必要となることがあります。

熱感知器の計画

熱感知器は、感知器周辺の熱を検出して警報を発信する感知器です。煙感知器や炎感知器よりも安価で、広く普及しています。熱を検出するという性質から、熱感知器が作動したときには出火した状態となっており、火災の早期検知の観点からすれば、火災検出能力は煙感知器に及びません。

熱感知器は熱を与えない限り動作しませんので、熱感知器が動作する頃にはかなりの火災の進行が考えられ、火災の早期検知を必要とする場合には、煙感知器を採用するのが良いでしょう。

熱感知器の設置基準として無窓階判定に注意が必要です。消防法における無窓階かつ特定用途建築物、または無窓階かつ別表15項に該当する事業所は、ほこりや湿度が多い場所などを除き、熱感知器を使用することができません。無窓階は消防隊が進入する開口部が少ないため、避難活動に支障が発生する可能性が高く、熱感知器による警戒では危険性が高いことが理由です。

また、開口部が十分に確保できれば、消防法上の普通階として判定され、熱感知器を使用することが可能です。しかし、廊下や階段などは重要な避難経路となるため、原則として熱感知器を使用することができませんので、計画には注意が必要です。熱感知器の設置基準で覚えておくべき項目は下記の通りです。

  • 感知区域は壁から400mm以上の突出物で区画される
  • 空調や換気吹出口から1,500mm以上離隔する
  • 400mm以上の段差がある場合は、同一感知区域にすることはできない

感知器の取付高さ・設置基準

熱感知器や煙感知器は、天井高さが高い空間に設置すると、煙や熱を検出するための時間が必要となるので、警戒面積を小さくしなければいけません。天井を下げられるなら、感知器の能力を有効に発揮させることが出来ますので、天井高さは4mを超えないように計画するのが良いでしょう。

例えば、煙感知器や熱感知器は、設置する高さが4mを超える場合、感知区域が半分になってしまいます。天井高さを4mとして計画している場合、天井高さを3.99mに変更する、感知器個数を増加させなくても良いということになります。

特殊条件下での熱感知器計画

一般的な厨房や台所では、防水形の特種熱感知器を使用する計画としますが、特殊条件がある場合は熱感知器の中でも、種類を変える必要があります。熱感知器は防水・防湿度・高温形など多様な機種があり、サウナ室のような100℃近い高温の部屋に設置する場合は、100℃形や150℃形の熱感知器を選定しなければ、誤動作の原因となります。ミストサウナ室や岩盤浴室など、高湿度の部屋にも、高温形の熱感知器を適用することができます。

湿度の高い部屋への感知器設置は、原則として熱感知器とします。防水性能を持つ熱感知器は、屋外でも使用することができますので、外気に開放された駐車場などでは、軒下に熱感知器を設置して火災警戒を行います。外気に解放された場所に設置する熱感知器は、開放された外部から5m以内の部分について、感知器の設置を免除できることがあります。所轄消防との協議によっては設置を指導されることもありますので、綿密な打ち合わせを行いましょう。

熱感知器の誤作動防止

熱感知器の誤動作を防止するためには、設置場所に注意する必要があります。熱感知器は原則として「バイメタル」と「接点」しかないため、煙感知器などと比較して誤動作が発生しにくい機構です。しかし、設置場所を間違えると、非火災報の原因になります。

軒下や厨房内など、雨の吹き込みや、常に湿気があるような場所に熱感知器を設置する場合は、防水型の熱感知器を選定するのが有効です。

差動式スポット型感知器の誤動作

急激な温度変化による内圧上昇で接点動作をしますので、厨房内、浴室の扉の前など、急激な温度変化にさらされる場所に設置すると、温度変化によって非火災報を誘発することがあります。また、差動式感知器は防水性能がないため、軒下や厨房内に設置した場合、感知器内部に浸水することで接点が導通してしまい、発報することがあります。

定温式スポット型感知器の誤動作

周辺温度が設定値以上になったことで接点が閉じるため、差動式スポット型感知器のように、厨房器具の直上に配置されていたりすると、非火災報の可能性があります。また、厨房内部は熱源が多く、高温になるステンレスフードの近くは容易に100℃を超える温度となるため、作動温度に容易に達します。

煙感知器の計画

煙感知器は、火災時に発生する煙を検出する感知器です。煙は、火災が本格化する前に発生するため、煙感知器で警戒することにより、火災の早期発見に効果を発揮します。しかし、煙感知器は検出能力の高さや機構の複雑さから、熱感知器よりも価格が高く、多数設置することによりイニシャルコストの増加に繋がります。

煙感知器は火災の早期検知に非常に有効であり、感知面積は熱感知器よりも大きいという特徴があります。消防法上の無窓階判定を受けた特定用途建築物では、煙感知器を選定しなければならないといった制約も発生するため、煙感知器を使用する機会は多くなります。

煙感知器の構造と設置基準

煙感知器は、動作感度の違いによって1種から3種まで区分されています。一般的な部屋の火災警戒には2種の感度を持つ煙感知器が使用されており、煙濃度10%で発報します。エレベータ昇降路の頂部など、煙の早期検出が必要な部分では、最も感度の高い1種の煙感知器が選定されます。1種の煙感知器は煙濃度5%で発報します。

防火戸や防火シャッターなどの連動用としては、誤動作によって防火シャッターや防火戸が閉鎖してしまっては困りますので、煙濃度がより高くならなければ動作しない、3種の煙感知器が選定されます。3種の煙感知器は、煙濃度15%で発報します。

煙感知器の設置基準で覚えておくべき項目

  • 感知区域は壁から600mm以上の突出物で区画される
  • 壁から600mm以上離隔する
  • 空調や換気吹出口から1,500mm以上離隔する
  • 600mm以上の段差がある場合は、同一感知区域にすることはできない

煙感知器の誤動作の原因と対策

煙感知器は熱感知器よりも湿気や粉塵に弱いという特性に注意しなければいけません。煙感知器は、本体にメッシュ状の検出機構があり、光の屈折によって火災検出を行っています。メッシュ内部に結露が発生したり、粉塵が内部に侵入すると、煙を検出したときと同じように光が屈折してしまい、火災信号を発信してしまうことがあります。

結露や粉塵によって、煙感知器が「重度の煙に包まれている」と判断してしまうと、連動シャッターや防火戸を閉鎖させてしまうこともあるため、煙感知器を設置する場合は、設置場所の空気環境への配慮が必要です。

煙感知器は湿度や汚れに弱いので、風が流通するような場所に使うと誤作動を誘発します。蓄積型の煙感知器を使用したとしても、蓄積状態が頻発するようでは、感知器の性能を維持することが困難になります。シャッターや防火戸連動感知器の誤動作は、事故発生のおそれがありますので、設置場所には特に注意が必要です。

空調機による誤動作

感知器は、空調機の吹き出しから1.5m以上離隔することが消防法によって定められています。感知器に気流を当てることによる粉塵の侵入による誤動作の防止のほか、冷風を感知器に当てることで煙感知器内部に結露が発生し、検出機構の光が反射し非火災報につながるおそれがあることが理由です。

タバコによる誤動作

煙感知器はその動作原理上、火災による煙以外にも反応し発報します。特に、喫煙所内に煙感知器が設置されていた場合、タバコの煙によって誤検出し、感知器が発報するおそれがあります。

煙が発生することが明確な場合は、煙感知器ではなく熱感知器を使用する計画としましょう。ただし、煙感知器が発報するには一定以上の煙濃度が必要であり、例えば、広い部屋で一人がタバコを吸っていた程度では、空気中に煙が拡散してしまうので誤動作することはほとんどありません。煙感知器に直接煙を吹きかけたり、多人数で同時に喫煙することで煙濃度が高まったときに、非火災報のおそれがあります。

炎感知器の計画

炎感知器は、熱や煙を検出する感知器とは違い、実際の炎をセンサーが検出し、発報する感知器です。特に天井が高い空間では、煙や熱は天井面に到達する以前に分散してしまい、有効な検出が不可能になります。

炎感知器の設置基準

消防法では、天井高さ20mを超える空間の火災検出を行う場合、大空間では上昇した煙が拡散してしまい有効な検出ができないことから、煙感知器での火災検出は不可能であると設定しています。煙感知器を使用することができないからといって、感知器を設置しないということはできず、このような大空間を警戒する場合には炎感知器を選定することになります。

炎感知器はセンサーによって床面にある火種を検出する仕組みとなっており、「炎から発生する紫外線を感知する機種」と、「炎から発生する赤外線を感知する機種」の二種類があります。

紫外線検出式の炎感知器

紫外線検出式の炎感知型は、炎から発生する紫外線を検出して火災信号を送信する感知器です。炎には多量の紫外線が含まれることから、これを検出要素としていますが、紫外線は炎から発生するだけでなく、水銀灯や蛍光灯などの照明器具からも発生しています。よって、警戒場所に紫外線を多く発生させる器具が近くにある場合、誤動作を引き起こす可能性があります。

照明器具などの他に、溶接機なども使用時に多量の紫外線を放出しますので、これによって誤動作してしまうことも考えられます。特に向上などではこのような事象が数多く発生しますので、炎感知器設置場所の用途も十分な確認が必要です。

赤外線検出式の炎感知器

赤外線検出式の炎感知器は、炎から発生する赤外線を検出して火災信号を送信する感知器です。紫外線検出方式と違い、炎から発生する熱線・いわゆる赤外線を検出します。

赤外線は、ヒーターなどの暖房器具などからも発生していますので、警戒場所に赤外線を多量に放出する暖房器具などがあると、誤動作の原因となります。赤外線検出式の炎感知器には、ちらつき(炎のゆらぎ)を検出する機能を持っていますので、暖房器具など一定量の赤外線が定常的に発生する場合は検出しないように配慮されています。

しかし、水面に反射した直射日光など、ゆらぎがある光を当てた場合に、これを火災と誤判断してしまい、発報してしまうおそれがあります。窓に近い部分に炎感知器を設置するのは、できる限り避ける事が重要です。

ガス漏れ警報器の構造・設置基準

ガス漏れ警報器は、都市ガスやプロパンガスなど、燃焼ガスが漏れていることを検知するための感知器で、ガスコンロや湯沸器が設置されている室内に設置されます。

家庭用、業務用の熱源として使用する天然ガスは、都市ガス、LPG(プロパンガス)が代表的であり、空気との比重の違いにより、ガスが漏れた場合に部屋の上部に溜まるもの、下部に溜まるものに分類されます。

都市ガスの性質と警報器設置場所

都市ガスは空気よりも比重が小さなガスであり、ガス漏れが発生した場合、天井付近にガスが滞留します。よって、ガス漏れ警報器は天井面から0.3m以内の部分に設置することで、効果的な検出が可能になります。この場合、ガス漏れ警報器は、水平方向にガス燃焼機器が8m以内にある部分に設置しなければいけません。

プロパンガスの性質と警報器設置場所

プロパンガスは空気よりも比重が大きく、ガス漏れが発生した場合、床面付近にガスが滞留します。効果的にガス漏れを検出するためには、床面から0.3m以内の部分に警報機を設置することで、効果的な検出が可能です。この場合、都市ガスと同様に、ガス燃焼機器からの距離が規定されていますが、水平距離で4m以内の場所に警報器を設置しなければいけません。

ガス漏れ警報器の設置場所の規制

ガス漏れ警報器は煙感知器や熱感知器と同様に、空気の流通などによって誤動作を引き起こす可能性があります。誤動作を防ぐため、外気が頻繁に流通する場所や、空調などの吹出口から1.5m以内の場所などには設置してはいけません。また、感知区域は他感知器と同様に、2以上の階に渡らないことや、警戒区域を600m2以内とすることなどが定められています。

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感知器の種類と特徴

感知器には、定温式、光電式のように、火災を感知する仕組みによって機種が分かれています。また、設置する方法によって分布型やスポット型などがあり、感知器を設置する場所によって使い分けることが重要です。

差動式スポット型感知器

差動式スポット型感知器は、周囲温度が一定の温度上昇率になったときに、火災信号を発信する熱感知器です。空調による温度変化や日射による温度上昇など、通常の温度上昇や変化では、膨張空気をリーク孔から逃がしますが、火災時の急激な温度上昇ではダイヤフラムを膨張させ、接点間隔が狭くなります。接点が閉じれば、閉回路となり電流が流れ、受信機に信号が伝送されます。

定温式スポット型感知器

定温式スポット型感知器は、感知器の周囲温度が一定の温度以上になったときに、火災信号を発信する熱感知器です。温度上昇に応じて内部のバイメタルが湾曲していき、接点が閉じて閉回路となれば、受信機に信号が伝送されます。

差動式分布型感知器(熱電対式)

熱電対式の差動式分布型感知器は、室内の広範囲に渡る熱の累積によって差動する熱感知器です。差動式分布型感知器は、鉄とコンスタンタンの金属接点に温度差が生じた際に、起電力が生じて火災を知らせます。

差動式分布型感知器(空気管式)

空気管式の差動式分布型感知器は、外径2mm程度の銅管(空気管)を室内に張り巡らし、火災時には空気管の温度上昇によってダイヤフラムが膨張し、接点が閉じて閉回路を構成する機構を持つ熱感知器です。倉庫や体育館など、大空間の警戒に適しています。

光電式煙感知器

光電式煙感知器は、暗箱内に煙が流入する際に、光束の拡散を利用して火災感知を行います。煙の進入によって光束の散乱を、光電素子で捉えます。埃や塵埃の多い場所では、光電素子が誤検出をするおそれがあるので、設置に適していません。

光電式分布型感知器

光電式分布型感知器は、信号発生器を内蔵した送光部と、受光部から成り、煙によって光の到達量の減少を測定し、火災信号を伝送する煙感知器です。5mから100もの公称監視距離を持っており、吹き抜けなど、高天井大空間に適しています。

紫外線式スポット型炎感知器

紫外線式スポット型炎感知器は、火災時に発生する炎から放出される紫外線を感知しており、紫外線の変化が一定量以上となったときに、火災信号を伝送する感知器です。紫外線は、水銀灯の光や溶接時に出る青白い光にも含まれているので、これらの電気機器等がある場所には適していません。

赤外線式スポット型炎感知器

赤外線式スポット型炎感知器は、炎から放出される赤外線を感知し、赤外線量の変化が一定量を超えた際にも火災信号を発します。炎から発生する赤外線は、照明器具から発生する赤外線と違い、大きく揺らぐ性質がありますので、火災時の赤外線か、それ以外の赤外線かを区別することで、誤報を防いでいます。太陽から放出される赤外線は、揺らぐ性質を持っているため、直射日光の当たる場所では誤作動の原因となります。

警戒区域

警戒区域とは、火災発生時に、火災が発生している区域を特定するために設ける最小区画のことです。アナログ式の自動火災報知設備であれば、感知器固有のアドレスと地図により火災発生場所を特定することが容易ですが、P型受信機を用いた自動火災報知設備では、「どの区画で火災が発生したか」までしか表現することができません。

火災発生区画を容易に判別するために、2以上の階に渡ってはいけないこと、一警戒区域の面積を600m2以下とし、一辺の長さを50m以内とすることが定められています。緩和規定として、防火対象物の主要な出入口から内部を見通せる場合、光電式分離形感知器を使用している場合は一辺の長さが100mとできるなどがあります。

2以上の階に渡らないことについては、2つの警戒区域の合計面積が500m2以下であれば、階を渡っての警戒が可能です。狭小な塔屋階を、下階と一括警戒するなどが可能になります。また、階段やエレベーターシャフトなど、階を渡る必然性がある部分の警戒は除外されています。

感知器種類による警戒面積

感知器の種類による警戒面積

感知器が免除できる部分

不燃材料で造られている建築物の場合、場所によって感知器の設置を免除できる部分があります。消防法施行令32条の特例申請を必要とするもの、慣例的に不要とされているものなど様々ですが、いくつかを紹介します。

軒下などに設置する熱感知器や、外気が流通する有効に開放された場所においては、その開放された部分から5m以内の感知器を免除してもらえる場合があります。所轄消防によって、免除判断の有無が違いますので、自走式の立体駐車場などを計画する場合は、確認してみると良いでしょう。

感知器の設置が免除される部分は、どれも火災の発生の可能性が著しく低い部分とされているために、感知器を設置しなくても良いことになっています。ただし、トイレについては、トイレットペーパー等への放火の可能性があるため、所轄消防によっては設置を指導する場合がありますので注意が必要です。

感知器の設置を免除される場所の代表例

感知器を設置しなくても良い場所として、政令で定められているのは下記の通りです。

  • 主要構造部(壁・柱・梁・屋根・階段)を耐火構造とした建築物の天井裏
  • 耐火構造・準耐火構造建築物の天井裏や小屋裏で、不燃材料の壁、天井、床で区画された部分
  • 天井裏で上階の床との距離が0.5m未満
  • プールの上部
  • プールサイド(売場がない場合)
  • スケートリンクの滑走部
  • トイレ・浴室・これらに類する部分
  • 金庫室内
  • 恒温室・冷蔵庫内(温度異常警報装置に替える)
  • 感知器の機能保持が著しく困難な部分

このように、感知器の設置が免除される部分は「火災の発生が著しく少ない」場所に限定されます。ただし、感知器が免除できる部分については、所轄消防により代替措置を条例化している場合があるため、そのまま適用できないことがありますので注意が必要です。

感知器を免除するという行為は火災に対して危険であるため、「感知器を設置しない」という措置を手放しに認めないことがあり、単純に「感知器を設置しない」という措置では許可されないことがあります。

所轄消防の考え方によっては、感知器を設置しない代わりに、消火器や消火栓、補助散水栓などを追加に設置し、消火能力を高める措置を実施することで、感知器免除を認めるという消防の考え方もあります。所轄消防との十分な協議が不可欠です。

連動感知器の基準

常時開放されている防火シャッターや防火戸を、煙感知器や熱感知器の信号によって自動閉鎖させて、防火区画を形成するための感知器を連動感知器と言います。防火戸・防火ダンパー・可動防煙垂壁などは、感知器の連動によって閉鎖・動作することが義務付けられていますので、これらの設備に付随して、連動感知器を設置する必要があります。

連動感知器は、連動対象の防火シャッターや防火戸などから、1m以上かつ10m以内の場所に設置することが法的に規制されています。よって、例えばシャッター通りになっている通路では、一つの感知器でいくらでも連動させられるわけではないため、およそ7mから8m毎に連動感知器を設置していくことになります。

原則として、一つの連動感知器が動作した場合、その感知器が設置されている区画内の全ての防火戸を閉鎖し、防火区画を構成することが望まれますが、所轄消防や建築指導課によって、指導内容が分かれるところでもあります。

例えば、大きな吹抜空間を持っている場所で、連動感知器によって防火区画を構成するため、一度に数十から数百のシャッターを同時に降下させると言う場合もあります。信号線の電圧降下なども考慮しないと、シャッターが降下しない場合がありますので、配線計画にも注意が必要です。

感知器による排煙設備との連動

中央管理室がある場合の排煙設備との連動では、感知器の作動によって排煙設備を動かすことは好ましくありません。感知器は誤作動するのが常ですので、感知器の汚れ、たばこの煙など、非火災報による火災発報動作が頻繁に発生します。そのたびに排煙機が運転してしまうのは、運用面からも望ましいことではありません。

よって排煙機の運転は、手動開放装置もしくは、防災センター等に設置した総合監視盤からの手動運転とするのが良いと考えられます。ただし所轄の行政機関などから、排煙機と感知器の連動を指導されることも考えられますので、注意が必要です。

排煙機の動作と空調停止

排煙機は、火災によって発生した有害な煙を大風量で吸い出します。この際、換気設備や空調機が当該室内で運転していると、排煙機が吸い込んでいる煙を撹拌してしまい、排煙機の能力を低下させる原因になります。よって、自動火災報知設備の動作(感知器連動)または排煙機の運転信号によって、換気設備や空調機を停止させることが望まれます。

「排煙設備技術指針」によれば、火災発生時には空調機や換気設備を停止することが「望ましい」とされていますが、行政判断によっては、強く指導されることもあります。

設計方法としては、中央監視設備を持つ施設であれば、換気ファンや空調機の運転を中央監視装置で行っていますので、火災信号を中央監視装置に送り、強制停止させる方法が採用されます。この方法の場合、中央監視している動力ファンや空調機などは対応できますが、小部屋用の100Vファンなどは対応できません。

排煙機の運転に支障がない場合は、換気や空調を停止しなくても良いことになっていますので、小型のファンや、単独で完結している空調機(パッケージエアコンなど、多数の室を空調していない機器)の停止は、行わないのが一般的です。

自動火災報知設備のメーカー

自動火災報知設備のメーカーは、ホーチキ、能美防災、ニッタン、パナソニックなどが代表的です。感知器が持っている機能は消防法によって規定されているため、基本的な機能同一ですが、メーカーによって表示灯の見やすさなどに差があります。

特殊仕様(指定色)への対応

店舗や映画館などでは、意匠的に凝った内装デザインを行うことが多く、ベージュやオフホワイトカラーの感知器では雰囲気が悪いからという理由で、感知器の色を変更したいという要望が出ることがあります。

感知器は本体そのものが認定品であり、感知器に色を塗るのは禁止されています。例えば熱感知器を塗装してしまうと、熱を検出する機構が塗装によって阻害され、有効な熱の検出ができなくなるおそれがあります。

また、煙感知器ではメッシュ部に塗装が詰まってしまい、煙が内部に侵入できなくなるおそれがありますので、熱感知器と同様に感知器の機能が阻害される原因になります。

感知器を指定色にしたい場合は、メーカーで塗装を行い、塗装された本体を消防認定するという手順が必要になります。メーカーによって、塗装した感知器を標準設計品としてキープしていることもありますので、確認すると良いでしょう。

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