契約アンペアの変更と計算方法

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アンペアブレーカーとアンペア契約

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アンペアブレーカーとは、家庭との電力供給契約に対し、契約アンペア値を超える電流が流れたときに自動的に動作し、電気の供給を停止させる機器です。電流制限器という名称でも呼ばれており、住宅内の分電盤に設置されています。リミッターと呼ばれる事もあります。

電力会社は契約している電流値に適合した配電線や変圧器を設置していますので、契約した電力以上の電力を流すと、敷設している電線やヒューズ、果ては変電所や発電設備まで悪影響を及ぼしてしまいます。各家庭で電流を制限することで、過負荷を防止し、適正な設備運用を行っています。

アンペアブレーカーは一般の配線用遮断器や漏電遮断器と違い、電気事故を保護するための安全装置としての機能はありません。アンペアブレーカーの二次側に漏電遮断器や配線用遮断器を設けることで、短絡事故や漏電事故に対して保護しています。

なお、電気を使いすぎた場合に「ブレーカーが落ちる」と表現されるのは、ほとんどがこのアンペアブレーカーの動作です。アンペアブレーカーの二次側にある「漏電遮断器」や「分岐遮断器」が落ちている場合、漏電やタコ足配線など、別の原因が考えられますので復電の際には注意しましょう。特に、漏電遮断器の動作は人的被害に繋がるため専門業者による点検が必要な場合があります。

契約アンペア変更による料金の違い

契約アンペアは、家庭内で使用できる電流値の上限値です。電力会社が基本料金を決定する項目のため、過大な設定をしてしまうと、大きな電流が流れる電気機器を多数使用することができますが、その分基本料金がかさんでしまいます。

一人暮らしであれば、契約アンペアは20Aや15Aでも十分な場合があります(IHクッキングヒーターや電気調理器を設置している家庭を除きます)。なお、273円/10A毎(東京電力・平成20年9月1日時点)に、基本料金が上がっていきます。

電気機器の同時使用による契約アンペアの設定

電気機器を同時使用し、契約アンペア値を超過することによりブレーカートリップ(ブレーカーが落ちること)が発生するため、契約アンペアの設定は慎重に行いましょう。例えば、炊飯器・ドライヤー・電気ポットが同時に動作するなど、瞬間的な過負荷が発生するとアンペアブレーカーが落ちます。日常的に10A〜20Aの使用しかなくても、電気機器の使用タイミングが重なることで、契約アンペアを超えてしまうことがしばしばあります。

前述した機器以外に、特に電流値の変動が激しい機器として、エアコンが挙げられます。エアコンは外気温度や室内温度の影響を受けやすく、室外機に内蔵しているコンプレッサーの電流値が大きく変動します。通常、電源を入れた瞬間が最も過酷な運転状況となりますが、夏場の12〜16時など、特に外気温度が上昇すると、コンプレッサーは空調能力を維持するためにどんどん電流を使用してしまうという特性があります。

例えば、エアコンの定格消費電力で1,000Wと表記されていても、外気温度条件が悪くなるなどして熱交換効率が悪い場合、1,500W近い消費電力となってしまうことがあります。カタログでは、100〜1500Wというように、幅をもたせた表記になっていることがありますが、このような変動特性が理由です。

契約アンペアの設定は、継続的に使用する機器電流値の合計ではなく、瞬時最大で使用する電流値を想定して契約する必要があります。一人暮らしであれば、ドライヤーと電子レンジなど、違う室・違う用途で使用する機器が同時運転することは考えづらいですが、二人以上の世帯では、ドライヤー・電子レンジなど用途の違う機器を同時に使用することがあります。生活スタイルに合わせた契約設定を見極めましょう。

契約アンペアの変更方法と注意点

管轄する電力会社に連絡すれば契約アンペアを変更することができますが、すでに建物内に敷設されている屋内配線の能力が不足する場合は、増強工事を伴うことがあります。例えば、20A〜30A程度の契約アンペアで使用している住宅で、IHクッキングヒーターを導入したいからと、60Aに変更しようとしても、電線が細いため不可能という場合が該当します。

この場合、数万円〜数十万円の負担金を支払い、引込電線の増強工事を合わせて依頼することになります。ただし、マンションなどでは、上階や下階と同一の電線を、幹線として共同利用している場合がほとんどですので、決められた数値以上への増強を認められない場合もあります。

大きな契約アンペアの変更を伴う家電等の導入は、契約アンペアの変更が可能かどうかも含め、十分な検討をしてから行うようにした方が良いでしょう。基本料金を下げたいからといっても、電力会社との契約は年間契約が原則なので、春は30Aで夏は50Aで…というような変更はできません。一度アンペア値を決定したら、一年間はそのままの契約となります。

電力会社のサービスとして、無料で契約アンペアのコンサルティングをしてくれますので、専門サービス員に必要なアンペア数を計算してもらうのも一つの方法です。

契約アンペアのルール

契約アンペアの20Aや30Aという数値は、100Vで引き込んでいる場合の数値を表しています。しかし、200Vで引き込んでいる場合、実際に流れる電流値は1/2になりますので、30Aという表現をせず、3kVAという表現になります。

60Aを超える契約アンペアの場合、8kVAや10kVAといった契約になり、電流値によるアンペア契約ではなくなります。電流制限器を取り外し、主開閉器による契約に変更します。主開閉器の電流値は30A、40A、50A、60A、75A、100Aといった刻みで販売されているため、契約は6kVA、8kVA、10kVA、12kVA、15kVA、20kVAとなります。

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契約アンペアの想定値を計算で求める方法

ガスコンロ併用住宅の場合の契約アンペア計算式

( 40 × 面積 + 2000 ) / 1000 = 契約アンペア

80m2の住宅で、ガスを併用した住宅の計算例
( 40 × 80 + 2000 ) / 1000 = 52 → 50A契約または60A契約

オール電化住宅の場合の契約アンペア計算式

( 60 × 面積 + 4000 ) / 1000 = 契約アンペア

80m2住宅 オール電化住宅の計算例
( 60 × 80 + 4000 ) / 1000 = 88 → 10kVA契約

電化製品の台数で積み上げて契約アンペアを想定する方法

前述している契約アンペアは、マンションや住宅の電気設備設計を行う際に、最大容量として算出するための計算式です。実際の契約においては、この数値よりも少なくすることがほとんどと考えられます。

下記に、代表的な家庭用電気機器の電流値を記載します。メーカー毎に若干数値が違いますので、取扱説明書や機器貼付の仕様シールなどを確認しましょう。電気設備を利用する時間帯毎に、ABCの群に分けます。

A群・24時間使用する電気機器

冷蔵庫(2A)、炊飯器の保温運転(0.5A)、電気ポットの保温運転(0.5A)

A群の電気機器は、常に電力を消費していると考えます。炊飯器を持っていない家庭であれば除外することができます。

B群・運転時間が比較的長い電気機器

テレビ(2A)、エアコン(7A)、電気式床暖房・電気カーペット(10A)、蛍光灯照明器具(0.2A)

B群の電気機器は、計算上入れておくのが安全な電気機器です。テレビやエアコンを付けたまま料理や掃除などをするのは、日常的と考えられますし、照明は日常的に点灯している電気機器と考えられます。

C群・短時間運転する電気機器

掃除機(10A)、洗濯機(6A)、電子レンジ(14A)、アイロン(12A)、ドライヤー(12A)、IHクッキングヒーター(15A)、食洗機(12A)、電気ポット沸騰運転(8A)

C群は、同時使用を考える必要がある電気機器です。可能性があるものを列挙しますと、掃除機と洗濯機は同時に運転することがあると思いますが、アイロンと電子レンジが同時に運転することは考えにくいでしょう。電子レンジと食洗機は、同時することは少ないと思われます。電子レンジとIHクッキングヒーターは、同時に使用する可能性があります。思いがけず電気ポットが沸騰運転を始めてしまい、同時使用になってしまうことがあります。

二人暮らし以上になると、IHクッキングヒーターを使用し、電子レンジを使っているところに、ドライヤーを使われてしまうなど、電気機器の同時使用が考えられます。

しかし、同時使用の可能性を考え過ぎると、契約アンペアが際限なく上昇してしまい、電気の基本料金が割高になってしまいますので、同時使用をどこかで割り切るのも重要です。参考までに、一人暮らしの家庭でIHクッキングヒーターを持つ場合を計算してみますと、

冷蔵庫2A + 炊飯器0.5A + テレビ2A + エアコン7A + IHクッキングヒーター15A + 電子レンジ12A = 38.5A

よってこの家庭は、40A以上の契約としなければ停電のおそれがある、ということがわかります。さらに二人暮らし以上の場合であれば、C群のドライヤーなどを追加しておけば、不慮の停電を予防することができます。契約アンペア数を上げると基本料金が高くなりますが、過ぎた節約は不便な生活となってしまいますので、生活水準を下げないラインを判断するのが大切です。

おトクなナイト8・10契約

夜間蓄熱の機器を多く設置していたり、夜間しか自宅にいなかったりという生活スタイルの場合、光熱費を削減できることがあります。おトクなナイト8では夜間8時間、おトクなナイト10は夜間10時間が1kWhあたり10円以下という、非常に安い単価で電気を利用することができます。

ただし、昼間料金は常に30円前後の単価になります。また基本料金は6kVA(60A同等)からの契約が最小なので、一人暮らしなどで20A〜30A契約をしている家庭ですと、基本料が800円以上高くなるため注意が必要です。

太陽光発電との併用

オール電化を使用した契約では、夜間電力が従量電灯の1/3程度まで安くなります。その反面、昼間電力は30円を超えるので昼間電力を大きく使用する生活スタイルには向きません。これを解消するため、太陽光発電システムを併用して昼間電力を太陽光でまかなうことができれば、昼間電力を買わない生活スタイルが作り出せます。

まだまだ太陽光発電の単価が高いので設置する家庭は少ないのが現状ですが、今後製造単価・工事単価が下がってくれば十分にメリットがあるシステムと言えるでしょう。

業務施設における契約電力の算出

高圧受電の業務施設の場合、基本料金が1kWあたり1,600円前後になるため、契約電力の設定は慎重に行います。契約電力を概算する場合、下記の計算を行うことで、契約電力の想定値を算出することができます。

最初の50kVA × 0.8 + 次の50kVA × 0.7 + 次の200kVA × 0.6 + 次の300kVA × 0.5 + 600kVAを超える部分 × 0.4 = 契約電力[kW]

例えば、変圧器容量50kVAの場合、50 × 0.8 = 40[kW] が、想定契約電力になります。変圧器容量の場合、50 × 0.8 + 50 × 0.7 + 100 × 0.6 = 135[kW] が、想定契約電力になります。この数値は概算であり、突入電流が大きいため大容量の変圧器を使用している、という場合も考えられますので、使用する際には注意しましょう。

(雑学)アンペアとは何か

アンペアとは電気の単位の一つで、電流の大きさを示す単位です。アンペアの定義は、「真空中に1mの間隔で平行に配置された、無限に小さい円形断面積を有する無限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1mにつき2×10−7Nの力を及ぼしあう一定の電流」とされています。

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