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電気設備の知識と技術 > 電気設備設計の基礎知識 > ソーラータイマー・自動点滅器の種類と特徴

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ソーラータイマーとは

ソーラータイマーとは、タイムスイッチ内部に全国の地域ごとの「日出」と「日没」の時間が登録されており、季節によって日出・日没時間が違う日本の特徴にあわせたオンオフ設定が可能なタイマースイッチである。

タイムスイッチでは、年に数回、季節毎に時間を修正しなければ日没とオンオフ時間にずれが生じてしまうが、ソーラータイマーを使用することで、夏季は18:00から点灯、冬季は16:00から点灯といった、季節に合わせた設定が行える。

ソーラータイマーと自動点滅器を併用することで、天気が悪く明るさが確保できない時間帯には照明を点灯させる、といった使い方も可能である。ここでは、ソーラータイマーと自動点滅器を組み合わせた、自動点滅の照明回路の考え方について解説する。

自動点滅器とソーラータイマーの併用

自動点滅器とタイムスイッチを併用し、タイマースイッチを16:00に設定し、かつEEスイッチで日射の有無を判別し、それぞれの信号がオンとなる時間帯だけ回路が導通する計画とすれば、季節による日出・日没時間に追従できる。自動点滅器の汚れによっては、オンオフ時間がずれる可能性があるが、省エネルギーに配慮した照明計画を容易に構築できる。

外灯照明では、ソーラータイマーを使用するか、EEスイッチと自動点滅器の組み合わせが一般的な設計方法である。日出・日没におけるオンオフ時間のずれを無くせるため、ソーラータイマーを併用した設計が推奨される。

ソーラータイマーを設計する場合、負荷を直接オンオフする有電圧タイプと、電磁接触器(マグネットスイッチ)に信号を送出する無電圧タイプの二種類がある。小容量の負荷をオンオフするだけなら、負荷を直接オンオフ可能な有電圧タイプのソーラータイマーを使用することで、シンプルな回路構成とでき、コスト削減を図ることができる。

オンオフする回路数や器具数が多い場合、有電圧のタイマーでは負荷容量に限界があるので、別に設置したマグネットスイッチ等をオンオフする方式が望まれる。マグネットスイッチに信号を送出できるタイプのソーラータイマーを選定し、電灯分電盤内に回路を組み込んで使用するのが良い。

自動点滅器(フォトスイッチ・EEスイッチ)とは

自動点滅器とは、明るさを検知することで接点をオンオフする自動制御機器である。光導電セルなどを利用し、バイメタルスイッチや継電器、半導体スイッチを組み合わせることで、照度の変化を検出して接点の開閉が自動化し、外光によって照明器具を自動点滅できる。

検出照度は機種によって違うが、10~80lxの照度となった場合に動作する製品が一般的である。照明器具の消灯は点灯照度の5倍以下とされているため、50lxで点灯した場合、250lx程度まで周囲が明るくなると接点が開放され照明器具は消灯する。

自動点滅器はフォトスイッチ・EEスイッチ(electric eye switch)という名称でも呼ばれている。光の特性を利用して機器のオンオフを行うため、フォトセンサを組み合わせたスイッチである。

主に外灯の照明器具に利用され、自動点滅器周辺の明るさが一定以下になると、自動でスイッチがオンになり照明などを点灯できる。逆に、自動点滅器周辺が明るくなれば、スイッチが自動でオフになり、照明などを消灯できる。

自動点滅器だけで負荷をオンオフする他に、タイムスイッチを組み合わせ、時間制御と周辺の明るさ制御を併用する制御方法もある。自動点滅器は、設計図ではEEスイッチという表記をすることもある。多くは、街路灯や防犯灯、庭園灯など屋外で使用している照明器具回路に組み込み、自動で照明器具をオンオフさせる機器として使用される。

自動点滅器の寿命は、一般型で4~5年、長寿命型で8~10年程度であり、原則として寿命時期まで交換は不要である。採光面が汚れた場合、周辺照度を正確に検出できなくなる場合があるので、著しく汚れた場合は適宜清掃するのが良い。

照明自動点灯用のEEスイッチの写真

自動点滅器の種類と特徴

自動点滅器は、動作機構により「バイメタルリレー式」と「電子式」に分類される。JISでは1P形、2形、3形に分類されている。

バイメタルリレー式自動点滅器

バイメタルリレー式自動点滅器は、バイメタルリレーという機器により、接点を機械的に開閉する機構を持っている。バイメタルリレー式は消灯している間、ヒーターでバイメタルを加熱し、接点を開くようにしている。そのため、比較的寿命が短く4年から5年程度である。接点開閉回数は2,000回以上とされている。

電子式自動点滅器

電子式自動点滅器は、半導体スイッチによって接点をオンオフする自動点滅器である。消費電力は極めて小さいが、昼夜を通して電力を消費する。電子式自動点滅器の場合、接点の消耗が小さいため接点開閉回数は4,000回以上可能とされ、8年から10年の寿命がある。

JIS 1P形

JIS 1P形の自動点滅器は、定格電圧、周囲温度20±5℃において、周辺照度10~80lxで点灯し、点灯照度の5倍以下で消灯する自動点滅器である。一般用として選定される経済的な自動点滅器である。

JIS 2形

JIS 2形の自動点滅器は、定格電圧、周囲温度20±5℃において、周辺照度50~100lxで点灯し、点灯照度の1倍以下で消灯する自動点滅器である。夕方など比較的早い時間に点灯を開始し、朝方周辺照度が高くなった際にすぐ消灯する動作特性となっているため、道路照明に適している。

JIS 3形

JIS 3形の自動点滅器は、定格電圧、周囲温度20±5℃において、周辺照度5~20lxで点灯し、点灯照度の2.5倍以下で消灯する自動点滅器である。日没など暗くなるまで点灯せず、消灯も早めという特性がある。省エネ効果をより高く求めたい場合や、軒下や木陰など自動点滅器の設置場所が日中でも暗い場所など、早期に点灯してしまう可能性がある場所に適している。

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