太陽光発電設備の種類と仕組み

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太陽光発電とは

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太陽光発電とは、太陽光の日射を電気エネルギーに変換し、電気を生み出す発電技術です。太陽電池(太陽光パネル)を用い、直流の電気を発生させ、パワーコンディショナーを経由して電気の品質を安定させ、住宅などに電気を供給します。

太陽光の光を受けている瞬間だけ発電することができるため、日中、天気の良い時間帯しか発電しないという、大きな特徴があります。人工衛星に電力を供給するなど、宇宙事業における電力調達がそもそもの発祥でしたが、現在では一般建築設備として計画されるまで普及が広がっています。

太陽光発電は、発電過程において有害な排気ガスや二酸化炭素を排出しない、クリーンな発電設備として注目されています。また、山中や海上、緊急停電時など、電力が調達できない場所においても、太陽光が得られる場所であれば発電することができるという利点もあります。

しかし、太陽光発電はエネルギー密度が小さく、1m2あたり1kW程度の電力しか取り出すことができず、かつ天候に左右されるため安定電源とは言えません。太陽光により、高い電力変換効率で電気に変換することが求められ、研究が続けられています。

日本・各国の導入量

日本国内では、住宅用として導入しているのがほとんどで、約80%となっています。産業用が約20%で、電力会社が電力供給用として設置している案件はほとんどありません。規模も、10〜20kWといった小規模施設が約半数を占めるなど、小型の太陽光発電設備が普及しています。

太陽光発電の普及が進んでいるドイツでは、住宅用よりも産業用が多く、普及の約半数が産業用となっています。また、電力用としても普及が進んでおり、用途に限らずに広く普及しています。

太陽光発電の発電原理

太陽光発電設備は、ソーラーパネルによって発電した電力をパワーコンディショナーに送り、周波数や電圧を商用電源に合わせて調整した上で系統連系します。ここでは、太陽光発電設備の内、ソーラーパネルの種類とそれぞれの特徴について解説します。

太陽光発電で最も広く利用されているのは、シリコンを原料としたソーラーパネルです。ソーラーパネルはn型シリコンとp型シリコンを重ね合わせた構造をしており、日射がパネル表面に当たると、プラスとマイナス(正孔と電子)が発生します。正孔と電子はそれぞれ違った方向に電気の流れが得られ、これに負荷を接続することで電流が流れます。

太陽電池の素子1個あたり、0.6〜0.7Vの電圧を発生させ、1cm2あたり30mA程度の電流を得ることができますので、これを直列に接続することで、所定の電圧と電流値を確保することができます。

太陽光発電の出力特性

太陽光発電は、太陽からの日射エネルギーを変換し電力とする設備であり、受光面積1m3あたり1,000Wの日射が照射される状態で、性能が規定されています。1,000Wの日射は、真夏の南中時に太陽方向にパネルを向けた時の数値であり、太陽光パネルが最も高い性能を発揮できる数値となります。

アモルファス系では大きな影響はありませんが、シリコン系の太陽光パネルは温度が高くなるほど発電電圧が低下し、性能が悪くなるという特性があります。太陽光パネルの定格出力は、パネル表面温度25℃を基準としていますが、夏季に直射日光に晒されるパネル表面は60〜80℃という高温になっており、出力に悪影響を及ぼします。

シリコン系のパネルでは、温度が1℃上昇する毎に、その出力は0.4〜0.5%程度減少すると言われていますので、設置場所によっては著しい温度上昇により、出力低下を引き起こす懸念があります。

AMとは

太陽光発電の出力特性の要素として、AM(エアマス:Air Mass)という概念があります。AMは光の大気通過量を示す指標であり、光が真上が照射される場合はAM1.0となり、日射角度が変化し、太陽光が大気を通過する長さが長くなるほど数値は大きくなります。なお、大気圏外ではAM0となります。

日本国内ではAM1.5が基準となっています。AM1.5では光の大気通過量1.5倍での到達光を示しています。

直流電源の電源品質の向上

太陽電池によって発生する電力は直流となるため、商用電源として使用させている交流電源に変換して使用します。交流電源に変換するために「パワーコンディショナー」を使用します。変動する太陽光発電による不安定な直流電源を、50Hzまたは60Hzの安定した交流電源に変換し、既存の電気設備や送電線・配電線に接続できるよう品質改善を行います。これにより照明・空調などの電源として利用することが可能です。

ただし、パワーコンディショナーによる電源の変換にはロスがあるため、発電した電力を100%利用することはできません。多くの場合、発生した電力の6〜10%程度をロスしますので、最近では発生した直流電源を、そのまま負荷に接続して使用する研究も進んでいます。白熱電球などは直流電源でも点灯させることが容易ですし、LED照明も直流電源に親和性があります。住宅メーカーなどでは、直流・交流ハイブリッド住宅などを設計し、売り出しを行なっているところもあります。

太陽光発電設備の耐用年数

太陽光発電設備を構成する「太陽光パネル」「パワーコンディショナー」「電力量計(電力メーター)」は、適正な維持管理・保守を行うことで本来の機能を継続的に発揮します。一般的にメンテナンスフリーとされている太陽光発電設備ですが、パネルに汚れが蓄積すれば発電量が劣化しますし、経年劣化による発電量低下も懸念されます。また、パワーコンディショナーに内蔵されているインバーター類も、経年劣化による効率低下、故障の頻発などが懸念されます。

太陽光パネルの耐用年数

太陽光パネルは、25〜30年の耐用年数を持っています。適切な維持管理を行い、かつ落雷や飛来物による損傷などが無ければ、40年という長い期間の発電を行なっている事例もあります。太陽光パネルは経年劣化により、毎年0.4〜0.8%の発電量低下が見込まれますので、総発電量の試算を行う場合には注意が必要です。

パワーコンディショナーの耐用年数

パワーコンディショナーは、10〜15年の耐用年数を持っています。太陽光パネルによって発電された直流電源を、家庭用などで使用する交流電源に変換する重要な装置であり、半導体素子、平滑用コンデンサ、絶縁トランスなどが内蔵されています。

パワーコンディショナーの耐用年数は内蔵される部品を交換することで対応しますので、焼損など致命的な基盤損傷などがなければ、本体そのものを交換する事例ことは少ない製品です。よって、定期的に内蔵部品の取替えをすることで長期間運用を行います。内蔵部品で最も耐用年数が短いのはインバーター平滑回路に使用されるコンデンサであり、これを定期的に交換します。

電力メーターの耐用年数

太陽光発電設備に使用する売電用電力量計は、その計測された数値に基づく売買契約となりますので、計量法に基づいた検定品を使用しなければいけません。計量法では10年以内にメーターを交換することが義務付けられており、電力量計本体に交換期限シールが貼付されています。従来は回転式のアナログメーターが主流でしたが、近年ではデジタルメーターが普及しています。

配線器具・ケーブル類の耐用年数

太陽光パネル・パワーコンディショナー・電力量計を接続する配線用遮断器(ブレーカー)やケーブルは耐用年数20〜30年とされており、太陽光パネルと同等以上の耐用年数を持っています。定期的な絶縁抵抗測定、増し締めなどを実施し、端子の緩みによる異常発熱を防止することが望まれます。

屋上の太陽光パネルを接続するケーブルは、電線管で保護されていることが一般的ですが、この配管が直射日光によって劣化し割れることがありますので、点検時に確認すると良いでしょう。電線管内部のケーブルが直射日光に当たると、紫外線によってケーブル表面から割れが発生し、漏電の原因となることがあります。

ソーラーパネルの種類

ソーラーパネルは「シリコン系」「化合物系」「有機物系」に大きく分類されています。この中でも特にシリコン系の材料を用いたソーラーパネルは、古くから使用されており極めて広い普及率を誇っています。近年では、軽量化や高効率化を図るため、化合物系や有機物系のソーラーパネルも研究開発が進められており、各種材料をハイブリッド的に使用した組み合わせ商品も販売されています。

単結晶シリコン方式

単結晶シリコンを主材料としたソーラーパネルです。200〜300μmのシリコン単結晶板を使用しており、シリコン系のソーラーパネルとして非常に高い発電効率を持ち、信頼性に優れた材料です。発電効率の高さは、電力密度の高さに比例しますので、より小さな面積で多くの発電を行うことが可能です。個人住宅の屋根などパネルの設置面積に制限がある場合、単結晶方式のパネルを用いることで、高効率なシステムを構築することが可能です。

単結晶では、シリコンの原子が規則正しく並んだ状態で存在しており、発電効率は最も高く、高い信頼性と品質を得ることができるという利点があります。半導体分野においては、イレブンナインと呼ばれる「99.999999999%以上」の高純度シリコンが用いられますが、太陽光発電においては必ずしも高純度のシリコンを用いる必要はなく、6〜7ナイン「99.9999〜99.99999%」の比較的純度の低いシリコンでも製造が可能です。これら純度が低くソーラー用に使用されるシリコンは、ソーラーグレードシリコンと呼ばれ区分されています。

シリコンに不純物が混ざっていると、日射によって発生した電子の移動が不純物によって阻害され、エネルギーを大きく損なうのが理由とされています。トランジスタなど特に微弱で精密な電気エネルギーを扱う電子分野では、このような不純物の存在が致命的となりますが、比較的大きな電圧や電流を扱う太陽光発電分野では、電子分野と同様の性能を求めずとも、所定の品質が確保できるとし、要求純度が緩和されます。半導体用に用いるシリコンよりも純度が低いため、その製造に関わるコストを低減させることができね大量生産を図ることができるとされています。

従来では、半導体用に用いられる予定のシリコンの内、純度が不足しスクラップとなるシリコンを用いて、太陽光パネル用の材料としていましたが、近年の大量需要においてはスクラップだけでは供給が困難となり、ソーラーグレードシリコンと呼ばれる「発電利用」に適した純度を設定し、供給されるようになっています。

単結晶シリコンによるソーラーパネルを製造する場合、純度の高いシリコンを多量に使用しなければならないため、価格が高くなってしまうのが欠点です。このため、純度の低いシリコンの結晶を組み合わせて製造できる多結晶シリコンのパネルよりも普及率に劣っています。しかし、前述したように狭い面積で効率の良い発電を行いたい場合、単結晶パネルによるシステムは都合が良く、普及率の向上が進んでいます。

単結晶シリコンは結晶の配列が規則正しく連続しているため、電子の流れの効率が良く、高い発電能力を確保することができます。しかし、大きなシリコンの単板を製作するコストが高いという欠点があるため、多結晶のソーラーパネルが優位です。シリコンの特徴として、高温になると発電効率が低下するという欠点があります。

多結晶シリコン

多結晶シリコンを主材料としたパネルは、単結晶パネルとして使用することができない小さな多数の結晶を集めた板を使用したもので、発電効率は単結晶パネルに劣りますが、シリコン半導体の端材や低グレードのシリコン結晶を集めて製造できるため、安価で生産しやすいことから広く普及しています。単結晶方式よりも省エネルギーで製造が可能なため、接地面積に制限がない場合、効率の良い配置が可能となります。

多結晶シリコンは、シリコンの端材を組み合わせて構成されるため、多数の単結晶ブロックがつぎはぎに接続された状態になっています。つぎはぎ部分は電子の移動が阻害されるため、単結晶よりも発電効率が悪化します。しかし、大きな単体のシリコンを使用せずに製造することができるため、製造コストを大きく低減させることができます。単結晶シリコンと同様、高温になると発電効率が低下する欠点があります。

アモルファスシリコン

非結晶であるアモルファスなどを用い、1μmの薄い膜を形成したソーラーパネルです。赤みがかった表面色をしており、低照度でも高い変換効率があるため、電卓の補助電源などに広く利用されています。ソーラーパネルとして構築するために必要な厚さが極めて小さいため、使用するシリコン原料が少なく済み、大面積を安価に生産することができるという特徴があります。しかし結晶シリコンよりも発電効率に劣るため、大きな発電量を確保するのが困難です。

各種メーカーは、多結晶シリコン系のソーラーパネルと積層することで、効率を高めた製品(HIT)も開発しており、特に設置面積が制限される住宅用途での普及が広がっています。アモルファスシリコン系のソーラーパネルは、高温でも効率が悪化することがないため、屋根面など高温となりやすい場所に都合が良いとされています。

CIS(カルコパイライト)

化合物半導体を利用したソーラーパネルで、シリコンを使用せず、銅・インジウム・セレンを組み合わせて製作します。薄型でも効率のよい発電が可能で、多結晶の太陽電池に該当するため、量産にも適しています。

特殊仕様の太陽光発電設備

太陽光発電設備は、パネルを組み合わせたアレイを屋根に置くのが一般的ですが、太陽光パネルの存在を建築デザインに取り込み、意匠性を向上させた製品や、発電里性能を向上させた特殊製品などが研究・開発されています。

建材一体形太陽光発電

太陽光パネルを屋根材や手摺と一体化させ、建材の一部として利用できる建材一体形があります。建材と一体にすることで、「屋根の上にパネルを置いている」「ひさしの上にパネルを置いている」といった、後付け感を薄めることができ、意匠性の向上を図ることが可能です。

建材一体の太陽光発電として、太陽光モジュールをガラスに挟み込み、パネル内蔵ガラスを構築し、トップライトやカーテンウォールのガラスとして利用する「採光形」といった製品もあります。モジュール間に隙間を設けてガラスに配置することで、光を柔らかく透過させ、日射の軽減と発電を兼ねるといった使い方が可能です。

建材と太陽光発電パネルを一体化した場合、デメリットもあります。パネルの故障や建材の修理においては、メンテナンスが煩雑になってしまいます。屋根材を交換する場合やガラスを交換する場合、太陽光モジュールが内蔵されているため、メンテナンス部品の調達コストの増加、納期の延長などが考えられます。

また、建材と一体化する場合デザイン性の両立が不可欠なため、面積あたりの発電量が小さくなりがちになります。最大効率を得ることができないことがあるため、発電量を第一目標とするのであれば建材一体ではなく単純配置が望まれます。

集光型太陽光発電(CPVシステム)

集光型太陽光発電は、太陽光発電の周囲・上部に反射板やレンズを設け、太陽光パネルへ集光することで効率を向上させる方法です。太陽光発電設備は理論上20%程度の光-電気変換効率を持っていますが、レンズで集光することにより、40%を超える大出力を得ることができるため、パネルの設置面積を半分以下とする技術です。

高倍率のレンズを用いて太陽光を集光する場合、シリコン結晶のセルではなく多接合型化合物のセルが使用されます。シリコンを使用した太陽光発電設備は温度上昇によって発電効率が低下する特性があるので、レンズで集光した光を当てると温度上昇も著しく、伴って発電効率が低下してしまいます。

しかし、多接合型の化合物半導体を利用した太陽光パネルであれば、温度上昇による影響を小さく抑えられるため、レンズ集光による利点を活かすことができると言われています。多接合太陽電池セルとしては主に、InGaP / InGaAs/Ge の化合物半導体を利用した研究が行われています。

高倍率レンズを用いた集光型太陽光発電は、国内では研究段階ですが、海外での実証実験は数多く、今後の太陽光発電設備技術の一端として期待されています。一部の事業者では、太陽光発電パネルの周囲に簡易な反射板を設け、光の取りこぼしを回収して発電効率を向上させる取り組みを実施しているところもあり、これだけでも10%以上の効率向上を望むことができます。パネルの上部に白い板を配置するだけで発電効率が上昇します。

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太陽光発電設備の設置目的

太陽光発電設備を導入する住宅は、年々増加しています。経済産業省が2009年11月1日から開始した、余剰電力買取の価格倍増の制度により、従来20〜30年は必要とされた減価償却が10〜15年にまで短縮され、太陽光発電設備の減価償却が容易になりました。

太陽光発電設備などの自然エネルギー発電の計画には、設置コストの減価償却を必ず検討する必要があり、太陽光発電設備の導入コストをいつ回収でき、いつから利益となるかを検討し、提示するのが一般的となっています。しかし、設置コストや減価償却という視点ではなく、環境負荷の低減や、ピーク電力の低減などを目的に設置するという、意識の転換も見受けられます。

例えば、太陽光発電設備を設置した仮定では、自分の家庭で電力を発電していることから、発電した電気の無駄遣いをしないよう節電したり、発電量と使用量のグラフを見るのが楽しみになるなど、副次的な効果も生まれています。一般的に、太陽光発電設備を設置する目的は下記のように考えられます。

電気料金の低減

太陽光発電設備の設置により、電気代を低減させることが可能です。太陽光発電設備の発電量は「設置容量(kW)の1,000倍程度」が年間発電量として見込めます。例えば、3kWの太陽光発電設備を設置した場合、年間で約3,000kWhの発電量が見込めますので、すべての電力が余剰電力として電力会社に逆潮流したとすれば、48円/kWの買取価格で計算した場合、年間で144,000円の収益を見込むことができます。

環境負荷の低減

環境負荷の低減は、国内全体で推し進められている施策です。太陽光発電設備を設置することで、電力会社の発電設備の稼働を低減させ、化石燃料の消費や二酸化炭素の排出を抑えることが環境保護につながると考え、この一助となりたいという意識が、太陽光発電設備の設置を促しています。多くの家庭が太陽光発電設備を導入することで、太陽光発電の研究投資も盛んになり、より安価で高効率なシステムが生産されていくことを期待できます。

太陽光発電設備は発電時のCO2発生がほとんどないと言われていますが、太陽光発電設備を製作・製造する過程においては一定のエネルギー消費があるため、総合的なCO2発生はゼロになりません。しかしこの発生したCO2は、2〜3年で回収できると検証されており、産業技術総合研究所という機関が情報を公開しています。投資金額をすべて償却することは困難としても、環境対策(CO2抑制)の観点からすれば有効であると判断できます。

国の補助金の交付を受けたり、CO2削減によるコスト的な緩和措置を得ることができれば、初期投資を低く抑えることが出来、良好な発電設備となることが伺えます。また今後の技術革新によって、CO2の回収は1年程度まで縮められると予測されています。

節電意識の向上

太陽光発電設備の発電量と電力使用量のグラフを見ることで、個人の節電意識を高めることができます。自分が設置した発電設備によって作られた電気という意識が芽生えるため、電気を無駄に使いたくないという意識に繋がると言われています。

非常電源としての利用

太陽光発電設備に自立運転機能を持たせることで、電力会社からの電源が途絶えた場合、非常用の電源として太陽光発電設備を利用することができます。家庭用の太陽光発電設備は、通常3kW程度の小規模システムであり、自立運転機能で発生した電力は1,000〜1,500W程度までしか使用するこことができません。

消費電力の大きなルームエアコンを動かしたり、ドライヤーなど大電流が流れる機器を運転させると、過負荷によってパワーコンディショナーが停止してしまうことがあります。緊急時に利用する場合、携帯電話の充電や、ラジオなどの電源として利用するのが現実的です。

ただし、太陽光発電設備を設置する場合、一般には蓄電池を併設したシステムではないため、安定した電源供給を望むことは困難です。夜になったり、天気が悪くなることで日射が失われてしまえば、発電することができなくなりますので注意しましょう。

ピークカットとしての利用

ピークカットは、特に昼間に大きな電力消費のある、空調機に対して効果があります。外気温が高い時、インバーターを内蔵する最近の空調機は、電流値が非常に高まります。太陽光発電設備では、天気が良い時の発電量が最大になることから「外気温が上昇する = 天気が良い = 発電量が多い」という図式に当てはまり、空調機が使用する大きな負荷電流を、都合良くまかなうことができます。

太陽光発電設備の構成

太陽光発電設備は、「太陽電池アレイ」「接続箱」「パワーコンディショナー」の3つの機器を組合せた発電設備です。逆潮流を行う場合は「電力量計」がこれに追加されます。このほか「蓄電池」が機器の一つとして挙げられますが、都心部など商用電源が問題なく供給されるエリアでは、計画に組み込むことがほとんどありません。

将来的に普及が広がり、太陽光発電設備が大規模になってきた場合、配電線側の電源品質の確保・維持のために蓄電池の設置が必要になると言われています。太陽光発電は電力会社側にとって不安定な電源であるため、管理が難しくなります。

太陽光発電設備は一般家庭にも広く普及しているのであまり考えることがありませんが、電力会社が持っている原子力発電所や火力発電所と同様の発電所として扱われます。電力会社の配電線に逆潮流し、大規模発電所で発電した電力と混在するため、太陽光で発電した電力の管理にも数多くの規制を受けます。

また、系統連系を行う場合は「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」に準拠する必要がありますので、内容を熟読し、ガイドラインから逸脱しないように計画を進める必要があります。

 ※詳細は系統連系・逆潮流のコンテンツを参照

電気主任技術者の専任と規制緩和

太陽光発電設備はその名称の通り発電設備に分類されますので、一定規模以上の発電設備は電気主任技術者による維持管理が法的に求められることになります。

ただし、太陽光発電設備の普及を促進するため、他の火力・水力・内燃力といった他の発電設備よりも規制が緩和されており、電気事業法によって「50kW未満」の太陽光発電設備は一般用電気工作物扱いとされています。住宅用など小型の太陽光発電設備の保守管理や規制は簡易であり、電気主任技術者の専任も不要となっています。

従来、20kWまでが一般用電気工作物として適用されていましたが、電気事業法施行規則の改正により、太陽電池発電設備は出力50kWまでを一般用電気工作物として扱われるようになり、電気主任技術者による専任管理は不要です。

系統連系有無によるシステムの違い

太陽光発電設備の種類として、「系統連系有・逆潮流有」「系統連系有・逆潮流無」「独立システム」の3種類があります。

系統連系有・逆潮流有

電力会社の配電線と太陽光発電設備からの電源線を接続し、互いの電源を混在させる方法です。太陽光発電設備を設置した施設内で電力を使い切ることができない場合は、電力会社の配電線に発電した電力が戻っていくため、逆潮流有のシステムとなります。

系統連系有・逆潮流無

施設内で電力を使い切ることができる場合は、逆潮流無のシステムになります。この場合、逆潮流しないことが条件になるので、逆電力継電器(RPR)を設置し逆潮流を検知した時点で回路を遮断するようにシステムを組む必要があります。

独立システム

無電化村落や、山岳地帯の測定施設など、商用電源を確保することができない場所で電源が必要な際に採用されます。日射がある時間だけしか発電できないので、夜間も電力を使用したい場合は蓄電池設備を設ける必要があります。

太陽光発電設備の設置場所

太陽光発電設備は常に日射が当たる場所に設置するのが原則です。太陽光発電設備に影が当たると、発電量が著しく低下します。太陽光パネルは1枚毎に発電している訳ではなく、何枚かのパネルが直列に接続され、全体がひとつの回路として発電を行っています。その組み合わせに該当とする太陽光パネルの内、一枚でも影が掛かった場合、ユニット1組の発電量が低下してしまいます。

太陽光発電設備を計画する場合、近隣に高い建物がないか、今後高い建物が建たないか、大きな樹木はないかなどを、十分調査することが重要です。太陽光パネル表面の経年の汚れなどによっても発電量が減少しますので、ほこりが多い環境や鳥が多く飛来する環境でも、発電量が減少するおそれがあります。

屋根強度の調査

太陽光発電設備は3kWシステムとしても、15kg/枚のパネルを15枚から20枚程度敷き詰める必要があるため、全体で約300kg程度の荷重を屋根に載せることになります。この荷重に、屋根が耐えられるかを確認する必要があります。

強度不足の場合は、屋根の補強や補修を実施する必要があります。また、テレビのアンテナなど他設備が邪魔になることがありますので、干渉する場合は移設することも考慮します。

電気系統の調査

一般的な需要家では、電力会社との取引用の電力量計が設置されておりますが、太陽光発電設備を導入した場合、新たに売電用の電力量計を設ける必要があります。外壁などに電力量計を設置している場合、大きな外壁スペースを必要とします。

売電用の電力量計は、無償提供されるものではなく、計量法の検定を受けた電力量計を設置する必要があります。電力量計の設置コストが発生することを、認識しておくことが重要です。

太陽光発電設備に接続する配線保護

太陽光発電設備は、直射日光を強く受ける場所に設置するべきシステムですから、接続する電線類には、過酷な環境となります。太陽光発電設備を接続する電線を、日光に晒される状態で敷設すると、数年を経過せずに電線が劣化し、ひび割れ・絶縁劣化による絶縁破壊などを引き起こします。

太陽光発電設備の配線に使用する電線は、PFD管を使用して保護するのが一般的です。PFS管では耐候性が弱く、これも数年でひび割れが発生するおそれがあります。より耐候性の高いPFD管を使用することが望まれます。ここで、配管の色は耐候性の高い黒色とすることが原則です。屋根の色にもよりますが、黒色であれば色彩の調和を図ることが可能です。

自然災害による破損への考慮

自然災害などによる破損も考慮する必要があります。落雷によるパネル破損、パワーコンディショナーや接続箱の破損、台風や強風による損傷など、各種事故の可能性があります。太陽光発電設備のメーカー保障期間は、一般に10年程度ですので、現行の料金体系において、20年から30年が減価償却期間と考えると、10年以降は修理が有償になるため、運用リスクが高まります。

太陽光発電設備は、日本国内に設置する場合「設置コストの元を取る」という考え方を主にせず、電源喪失など緊急時の電源確保用、または、負荷の大きな時間帯におけるピークカットを行うための電気機器、という認識を持て、環境負荷の低減のために設置するという考え方をもつことも、意義があることと思われます。

住宅用の太陽光発電設備

ソーラーパネルを使用した発電設備として家庭用にも比較的広く普及しています。戸建住宅の屋根に設置し3kWシステムとするのが一般的です。3kWシステムの場合、年間で約1000倍の3,000kWh(24円/kWで換算すると72,000円)の発電を行います。

2009年11月1日より、10kW未満の太陽光発電設備については、倍額の48円/kWでの買取が行われるようになりました。これで前述の計算式を補正すると、年間で144,000円の減価償却が可能になりますので、25年から30年設置していなければ減価償却できないとされている太陽光発電設備が、15年で減価償却できる計算になります。ただし、48円/kWでの買取は10年固定とされていますので、10年後にどのような施策が待っているかは不明です。

初期費用と運用コスト(平成23年11月時点)

太陽光発電設備を新築住宅に設置する場合、屋根工事と一体で施工できることや、建物購入時の値引きなど、多くの値下げ要素があるため、600,000円/kW程度が相場となります。

既存の住宅に太陽光発電設備を設置する場合、設備単体で購入することによる値下げ率の低さ、屋根の補強などの追加工事を含むと、新築時に太陽光発電設備を設置するよりも割高になります。750,000円/kW程度を見込む必要があります。新築時に、一般的な3kWの太陽光発電設備を設置した場合、600,000円/kW×3kW = 1,800,000円 程度が相場となります。補助金などを活用すれば、この金額はさらに変動します。

太陽光パネルの寿命は約20年、パワーコンディショナーは15年程度が寿命なので、減価償却したと言える時期に設備更新を行うことになります。なお上記金額には蓄電池の設置は含まないので、独立電源として運用したい場合には別途コストが発生します。蓄電池は8〜10年程度の寿命であり、メンテナンスや交換を含む運用コストが大きくなり、さらに減価償却期間が延長されます。

設置した太陽光発電設備も、完全なメンテナンスフリーではなく、機器類には定期的なメンテナンスが必要になります。パワーコンディショナーや太陽光パネルなどは、定期点検しなければ故障の原因となります。定期点検契約などをメーカーと結ぶため、ランニングコストが必要になります。

太陽光発電設備の発電量計算

太陽光発電設備を住宅に設置する場合は、3kWシステムが主流です。太陽光パネル一枚は約15Vの電圧があり、発電できる電力は150Wから180W程度です。パネルを十数枚連結し、200Vを確保するのが基本システムになっています。連結された太陽光パネルのユニットを「太陽電池アレイ」と呼びます。

例えば、電圧15V、150Wの太陽光パネルを使用すると仮定した場合を考えます。太陽光パネル14枚を接続した場合の単純計算をしてみます。計算上、設置面の方位による効率・係数の影響は省略しています。

電圧は、15V/枚 × 14枚 = 210V を得ることができます。

電力は、150W/枚 × 14枚 = 2,100W を確保できます。この太陽電池アレイ2組配置すれば、理論上4,200Wを発電できるシステムとなります。

太陽電池アレイから発電される理論値は4,200Wですが、ここで発生している電源は直流であり、このままでは需要家内の電力として利用することはできません。直流を交流に変換するため、パワーコンディショナーを通す必要があります。パワーコンディショナーには電力変換効率があり、理論上の発電数値から数%の電力ロスを発生します。

電力ロスを10%とした場合、4,200W × 0.9 = 3,780W が、パワーコンディショナーによるロスを考慮した、取得可能な電力となります。この計算は清浄なアレイを前提としていますので、パネル表面の汚れや、近隣建物による影の影響などを考慮し、さらに10%程度の余裕を見ておくのが望まれます。

この場合、3,780W × 0.9 = 3,402W 程度を、実際の発電量として考えます。

太陽光発電設備の年間発電量はシステム容量の1,000倍で概算することができますので、3,402Wの太陽光発電設備のシステムなら、3,042kWh以上の年間発電量を見込むことができます。余剰電力は48円/kWで買取を受けることができますが、仮に全量が逆潮流したと考えた場合、約163,296円の年間収入を得ることができます。

太陽光発電設備の法的規制

太陽光発電設備は、電気事業法や工場立地法など、各種法規によって規制される電気設備です。通常は一般用電気工作物に該当しますが、構築規模や運用用途によって、自家用電気工作物・事業用電気工作物として規制されることになります。

電気事業法による制限

太陽光発電設備は、電気事業法による制限を受け、一定規模以上の設備を設置する場合は電気主任技術者を選任し、管理を行わなければいけません。太陽光発電設備は「発電設備」として位置付けられるため、一定の安全性が求められます。

小規模の太陽光発電設備は自家用電気工作物に該当しないため、電気主任技術者の選任は不要です。しかし、出力50kW以上となる場合、小出力発電設備の枠から外れ、自家用電気工作物となり、電気主任技術者が維持・管理・運用しなければなりません。

また、500kW未満の太陽光発電設備であれば、経済産業省への工事計画の届出、使用前安全管理審査などは省略されます。しかし、出力500kWを超える大規模な太陽光発電設備を設置する場合、前述した届出が必要となります。さらに1,000kWを超える場合は、電気主任技術者の外部委託が認められず、その事業所に専属で勤務する「電気主任技術者の選任」が必要となります。

工場立地法による制限

太陽光発電設備は発電設備であり、設置する事業者が構内で消費する用途であれば、規制されることはありません。太陽光発電設備は工場立地法上「環境設備」として位置付けられており、特に大規模の工場が必要とする一定面積以上の緑地確保に対し、太陽光発電設備の設置が有効な手段となっています。

しかし、太陽光発電設備の全量買取制度を利用する場合、構内で消費する設備ではなく、全ての電力を電力会社に送り込むことになります。これは「発電所」としての位置付けとなってしまい、太陽光発電設備を設置している需要家が「電気供給業」と見なされてしまうことにあります。

電気供給業と見なされた場合、太陽光発電設備は「環境設備」ではなく「生産設備」と位置付けられるため、本来工場ではない事務所ビルなどが、面積によって「特定工場」と認定されてしまうおそれがあります。特定工場となった場合、一定規模の緑地を敷地内に設けることを規制されてしまうため、緑地を設置できない事業者は全量買取制度が適用できず、設置が促進されないという可能性を持っています。

太陽光発電協会など関連団体では、太陽光発電設備の位置付けを「生産設備」ではないものと扱うことや、緑地整備義務を負わせないことなどを要望し、太陽光発電設備の設置促進を図るよう活動しています。なお、工場立地法の届出は経済産業省ではなく、設置場所を管轄する都道府県となっているため、現時点(平成24年1月)では方向性が定まっていません。

太陽光発電設備のメーカー

太陽光発電設備のメーカーは日立製作所、ソーラーフロンティア、三菱電機、シャープなどが代表的です。

一般的に、これら太陽光発電設備のメーカーは、子会社として施工専門会社を抱え、親会社の製品を主体に使用してシステム構築・施工までを行います。メーカーによっては、太陽光パネルは保有しているがパワーコンディショナーは保有していないなど、システムの構築のために他社製品を使用することもあります。

例えば、三菱電機は太陽光パネル・パワーコンディショナーなど、太陽光発電設備に関する一連の機器類を、自社で生産しています。(平成23年11月現在)

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